【終活】変わる高齢者の就労意識

人生100年時代という言葉がすっかり定着したいま、
高齢者を中心に就労意識が大きく変わりつつあります。

日本経済新聞が2019年秋に実施した調査によると、
「70歳以上まで働くつもり」と回答した人が60歳代で54%にものぼりました。

60歳がサラリーマンの定年という少し前までの常識は
65歳までの定年引き上げ(希望者に対して)という法制化で大きく変わり、
定年は一律70歳からとされるのも遠い未来ではないでしょう。

今回は人生100年時代を見据え、変化する人々の就労意識を追っていきます。

■何歳まで働こうと思っていますか?

日本経済新聞が2019年秋に実施した郵送世論調査で、何歳まで働くつもりかを
選択肢をあげて聞いています。

「75歳以上」が全体の16%、「70~74歳」は21パーセントにものぼり、
この二つを合わせた「70歳以上」は37%にもなりました。

これに対し、「60歳代」と回答した人は前回の調査より5ポイント減り40%でした。
また、この数字は定年が近づく年代ほど上がっていきます。

「70歳以上まで働くつもり」は70歳以上で45%、60歳代で54%に達していますが、
30~50歳代で3割前後、18~29歳は18%と低い数字にとどまります。

まだ定年が現実味を帯びていない世代は
「健康なうちに退職しセカンドライフを楽しみたい」
「そんな年齢まで働くことを考えるとモチベーションが下がる」
という思いが先行しているのでしょう。

調査では老後の不安要因についても聞いていますが、「健康面の不安」が71%、
次いで「生活資金など経済面の不安」が68%と高い数字を出しています。

このことから金銭的に余裕がない人や、現在の職場待遇が不安定な人など、
老後の収入に何かしらの不安をもつ人が生活のために働き続けなければいけないと
意識しているのが見えてきます。

「生きがいのため」と働き続けることを希望する人もいますが、この調査から分かったのは
「働かないと生きていけない」という切実な理由で働くことを希望する人が
大半を占めているということでした。

■就労意欲と反比例する雇用環境

以上のような世論を踏まえ、政府も少しずつですが動き出しました。

企業は希望者には70歳までの雇用機会を与える努力義務を負う法案や、
公的年金の支給開始年齢を繰り下げ、その分通常の年金より多く受給できる法案を
提出する予定です。

このように長く働きたいと希望する人が安心して働き続けることができる環境を作ろうとしていますが、実際の雇用環境はまだまだ理想には手が届かない状況です。

内閣府の高齢者白書によると、18年の世代別就業率は60~64歳が69%、
65~69歳が47%でした。
これが70~74歳では30%、75歳以上では10%と大きく下がっています。

中には企業側の理由以外に、「身体的な衰え」や「家族の介護」などのように働きたくても
働けない人が一定割合存在していることを忘れてはいけません。

自分の将来に不安を抱きながらも働けない人に対してどのようなフォローができるのか。

年金制度や雇用システムの改革と合わせて、しっかり対策していくことが迫られます。

■人生100年時代をしっかり見据えて

60歳で定年退職し、あとは年金をもらいながら悠々自適にセカンドライフを楽しむ…
このような少し前まであたりまえだった老後の前提は大きく変わりつつあります。

65歳までの再雇用の義務化や、70歳までの雇用が通常の雇用形態になり、
元気なうちはいつまでも働き続けるというのが、一般的になる
のはもう目の前です。

おじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれるのは80代になってから。
それまでは長い人生を見据えて働けるうちは元気に働く。

令和流のセカンドライフは今までのセカンドライフとは
少し違う意味合いになっていくのかもしれません。

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