【終活】知って対処・わかって予防!

歯の代表的な病気といえば「歯周病」ですね。
しかしこの「歯周病」。痛みを伴う虫歯と比べて自覚しづらく、重症になると歯が抜け落ちてしまう怖い病気です。
成人の大半がかかっているとみられる、この「歯周病」について今回はお話していきます。

■「歯周病」とは

「歯周病」は歯茎の炎症で、歯周組織の病気です。
具体的に言いますと、歯と歯茎の境目にたまった歯垢の中にある細菌が、歯茎にダメージを与え炎症を起こします。
この初期段階の炎症を「歯肉炎」と言い、そこから進行すると、歯茎と歯の境目にできる「歯周ポケット」が深くなり歯を支える骨が壊れる「歯周炎」となります。

歯周病には20〜30代から発症して短期間で急速に進行する「侵襲性歯周炎」と、10〜20年単位で進行する「慢性歯周炎」があります。
現在抜歯の原因は、歯周病が虫歯を上回っています。
歯茎が赤くなり、歯磨き時に出血があれば歯周病の初期症状です。
出血があった時点で歯科を受診しましょう。

■とっても危ない?「歯周病」

歯周病菌は唾液や呼吸を介して肺に入り込むほか、歯茎の中の毛細血管を介して身体に入り込みあらゆる所で悪さをします。
肺炎は日本人の死因第5位の病気(内97%は高齢者)ですが、歯周病菌が肺に入り込めば肺炎(誤嚥性肺炎)の原因になりかねます。
また、歯周病菌は心臓や血管内で血栓をつくりやすくし、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります。

【日本人の死因】
第1位・・・・・・・・・・悪性新生物(がん)
第2位・・・・・・・・・・心疾患
第3位・・・・・・・・・・脳血管疾患
第4位・・・・・・・・・・老衰
第5位・・・・・・・・・・肺炎

さらに、歯周病は糖尿病の関わりにおいて、インシュリンの働きを妨げ血糖のコントロールを困難にしたり、妊婦においては歯周病菌が子宮内で陣痛を促進させる動きをし、早産(低体重出産)の原因にもなります。
つまり、歯周病は呼吸器系疾患・心臓ー血管系疾患・糖尿病・低体重出産などのさまざまな全身疾患の発症・進行などに関係しているのです。
また糖尿病や腎疾患などの基礎疾患があると、免疫力の低下により歯周病や呼吸器系疾患などの感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくいことにより、病気が重症化しやすくなります。
以上のように歯周病が原因で死に至るケースも稀ではありません。

■「歯周病」の予防と治療

歯周病は重度になると怖い病気ですが、予防をしっかりすることで防ぐことができます。
ここでは歯周病の予防と治療についてご紹介します。

【予防】
予防はとにかく丁寧な歯磨きにつきます!

①歯ブラシの使い方
力を入れすぎないように、歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握ります。
歯磨き粉に含まれる研磨剤で歯を傷つけないために、歯磨き粉はブラシ表面の3分の1以下。
長さは5mm程度の少なめで十分です。

②歯の磨き方
歯ブラシを歯の真横からあてて、歯茎との境目を意識して磨きます。
歯のエナメル質や根を痛めないように横に小刻みに動かしましょう。
歯を2本ずつ各20回磨くのが理想ですので、細かく動く電動ブラシも効果的です。
少なくとも就寝前は念入りにブラッシングしてください。

③アフターケア
歯磨き後は軽くゆすぎ、歯間ケアも忘れず行いましょう。
歯周病の多くは歯と歯の間の歯肉からはじまります。
若年層はフロス、歯の隙間が広くなる40代以上は歯間ブラシを使うことをオススメします。

【治療】
歯周病の治療は初期の歯肉炎の段階なら歯垢や歯石を取り除くことで治りますが、進行すると骨が溶けてそれだけでは元に戻りません。
以前は進行を止めるだけの治療でしたが、最近は失った歯周組織をより健康な状態に戻す治療になってきています。
この治療には、歯肉を切開して人工の膜を入れるGTR法、再生材料(エムドゲイン)や再生薬(トラフェルミン)を使った歯周組織再生治療があります。

しかしどんなに治療が高度になっても予防は欠かせません。
正しい歯磨きの方法を知り、日頃からの予防を心がけましょう。

■認知症の予防にもなる?

日常の習慣で病気につながるものというのは、たくさんありますね。
ちょっとした気の使い方で大きな病気を防ぐことができるのであれば、続けていきたいものです。
歯周病は上記でお話した以外にも、予防することで動脈硬化のリスクを低減するほか、アルツハイマー型認知症の予防にもつながると言われています。
日々の努力で守れる健康!
歯周病予防のためだけでなく、全身疾患予防のためにも日々歯磨きを丁寧に行いましょう。

 

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