【終活】気をつけよう誤嚥性肺炎

高齢者の死因第5位に上がっている「肺炎」
この「肺炎」は大きく3つのタイプに分かれます。
「肺炎」の原因となる病原微生物には、細菌(細菌性肺炎)、ウイルス(ウイルス性肺炎)、その2つの中間的な性質をもつ微生物(非定型肺炎)の3つです。
今回は、この3つとは異なる原因で起こる「誤嚥性肺炎」についてお話いたします。

●誤嚥性肺炎とは・・・・・

物を飲み込む働きを嚥下(えんか)機能、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。
「誤嚥性肺炎」は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃酸によって起きる化学性肺炎で、メンデルソン症候群とも呼ばれます。

入院や体を動かせない状態が続き体力が衰えると、食べ物や飲み物をうまく飲み込めない嚥下障害に陥りやすくなります。
筋力が低下してのどの内側で気管を閉じる弁の働きが悪くなり、食べ物などの一部が誤って気管に入る誤嚥を繰り返すと肺炎の危険が高まります。
これは脳梗塞の後遺症で起きる場合もあります。

口内細菌やのどや鼻にいる細菌が一緒に入ると炎症が起きるので、就寝中、口が開きっぱなしで粘っこくなった唾液を飲み込むこともリスクを高めます。

食べ物をかんだり飲み込んだりするのに使う筋肉は、脳の左右の神経系統によって働くので、脳梗塞で片方がダメージを受けても機能は戻る可能性が大にあると考えられています。

栄養を直接胃に送り込む胃瘻という方法がありますが、すぐに諦めないで嚥下機能を時々確認し、回復の可能性を見逃さないことが大切です。

■のどの筋トレ?!

食事中にむせやすくなる、のどが詰まるような違和感がある、咳払いが増えるといった傾向があれば、飲み込み力が衰え始めたサインの可能性があるので注意です。
今のうちから意欲的に喉頭を動す訓練を行っておけば、食事中の誤嚥はもちろん、唾液が喉の中にたまりにくくなって就寝中の誤嚥も起きにくくなります。

では意識的に喉頭を動かすにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは喉の筋力を鍛える「のどトレ」についてご紹介します。

「のどトレ」はまず食事中の喉の動きを意識することから始めていきます。
食べ物を飲み込む時に喉に手を当てると、喉仏が上下に動いたり、あごの下に力が入ったりするのがわかります。
※女性の喉仏は見つけにくいので、大体の位置で構いません。

飲み込む時の喉のイメージができたら、まずは水を飲むなど意識的に飲み込む動作を行います。
次第に水がなくても「ごっくん」と飲み込む動作ができるようにします。
その後喉仏を上下に大きく動かす練習で、可動域を広げていきましょう。

最終的には、飲み込んだあとに喉仏を上げたまま、あごの下に力を入れ続ける状態を維持できるようにします。

■お風呂で歌って楽しく予防!

「のどトレ」は少し難しいと思われる方は、
日頃の行動で誤嚥のリスクは下げられます。
専門家が一致して勧めるのが発声です。
呼吸のリズムと筋肉の動きが連動して動き、喉が鍛えられます。
国際医療福祉大学教授の渡邊 雄介 東京ボイスセンター長は、一人暮らしで声を出す機会が減る高齢者などに、風呂場で歌うように勧めています。
半身浴で30〜40分、決まった曲を何度も歌い、うまく歌えない部分を重点的に練習すると、喉の筋肉のよい訓練になります。
1日1回、毎日実施して3ヶ月続ければ効果がでてきます。

その他に、普段の姿勢にも気をつけることもお勧めです。
椅子に座る時に背もたれにもたれず体をまっすぐにすると、体幹が鍛えられ筋肉を保つことができます。
さらに飲食時にあごを引くと、気道が開きっぱなしになりにくくなり誤嚥防止になります。

 

いかがだったでしょうか?
「肺炎」はよく風邪をこじらせたと考えがちですが、実は今回ご紹介した「誤嚥性肺炎」の割合が多いことがわかっています。
若くても意識的に喉を動かし、飲み込み力が衰えないよう早めの予防を心がけましょう!

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