【終活】他人事じゃない「最期」。望むカタチで迎えるためには?①

皆さんは、自分の最期をどのように迎えたいと考えていますか?

人の死を語るのはタブーとされる風潮がありますが、
自らの最期をしっかり考えるのはとても大切な事です。
それは、今後も生きる家族にとっても重要になります。

今回は、終活世代の方には大切なテーマである「最期」について考えて行きましょう。

揺れる終末期医療。人の命か医療費か。

現在、終末期医療と医療費の問題で議論が行われています。

過剰な延命治療を減らせば医療費の抑制に繋がるのではないかと、
政府や関係者によって終末期医療の見直しが進められています。
しかし、「人の命に値段をつけるのか」と言った批判もあり、
この難題に対して有識者の間でも意見が揺れています。
医療費に関しては、「増え続ける高齢者医療費。誰がどのように負担する?」の記事をご覧ください。

そもそも「終末期医療」とは、明確な定義こそありませんが、
一般的には回復の可能性がなく、
数週間から数ヶ月で死に至る患者に対して延命治療を施すような例を指します。
けれども日本では、この延命治療が過剰に行われています。

では、延命治療を求める高齢者はどのくらいいるのでしょうか。

平成25年版の高齢社会白書によると、
自分自身への延命治療のアンケートに対して、
「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」と答えた人の割合は4.7%と少なく、
「延命治療を行わず自然にまかせてほしい」と答えた人が91.1%と9割を越えています。
多くの高齢者たちは過剰な延命治療より、
自然で穏やかな最期を望んでいる事が分かります。

では、なぜ延命治療が多く行われているのか。
それには、親子間の死生観の違いが関係しています。

親世代である80〜90代の高齢者は戦争経験があり、
いくつかの死を見ているのである程度の覚悟をしている人が多く
先ほどの表からも分かるとおり延命治療を望む人は少数です。

しかし、戦後生まれの子ども世代は死を見る機会が少なく、
年齢を重ねるごとに親が衰えて行く現実を受け止めきれないケース
があります。

さらに、終末期医療の現場では患者の高齢者のほとんどが、
意識がはっきりしていないことや認知症を患っていたなどの事例が多いため、
はっきりとした意思表示ができることは稀です。
その場合、延命治療を行うか否かの決断は家族がすることになります。
以前から親の希望を聞いていれば迷う必要はありませんが、
聞いていなかった場合「延命治療を行わない」と決断を下すのは非常に難しいのです。

また、世間や親族に対する世間体もあり、
延命治療を行わないという選択をすれば、無責任な非難にさらされることも少なからずあります。
施術によっては早めの決断が必要とされる場合もあり、
介護疲れの中、突然の容態急変にショックを受けている時決断を迫られてしまうと、
誰もが「無難」な選択、つまり命をつなぐ治療を選択してしまう可能性が高いのです。
その結果、本人の希望と沿わない治療が行われてしまうのです。

自分の意思をしっかりと残すために

こうした事態にならないよう厚生労働省は、
普段から自分の最期の迎え方などを事前に話し合うガイドラインを策定して、
医療現場への普及を促しています。
また、日本臨床救急医学会では、
心肺蘇生後の蘇生処置を望まないと書面で残っている場合、
かかりつけ医に是非を確認した上で蘇生処置を止めるよう求める提言を出しています。
延命治療に関しては、「自分の最期を望むかたちで迎えるための準備」の記事をご覧ください。

しかし、医療費については、
終末期医療について患者と相談を行い、
書面に残したら医師に2千円の報酬がつく仕組みなどがありましたが、
「延命治療をやめたらお金がつくのか」と多くの批判があり、
当面凍結せざるを得ない事態になりました。
医療費の問題は前に進めない状況です。

自分の意思をしっかりと残すためには何が必要なのか、何をすればいいのか。
そして終末期を迎えた家族をケアしていくために必要なこととは何なのか。

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今回のようなトラブルを回避することができます。

次回の記事では、
終末期の家族をケアするための「ターミナルケア」などをご紹介して行きたいと思います。

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