【終活】記憶力アップで認知症予防②

年齢に関係なく、脳は鍛えれば鍛えるほどその機能を向上することが分かった前回の記事ですが、
そのためには意識して日々トレーニングに取り組むことが必要になってきます。

しかしコツコツと継続させることが苦手な方もいるでしょう。
そこで今回は自分で意識しなくても自然に脳トレーニングにつながる脳力アップ法を紹介します。

「もう実践している」と言う人もいるかもしれませんが、
そんな方は自分の脳にしっかり自信をもってもらって大丈夫だと思います。
少し自信のない方は、これからご紹介する脳力アップ法を試してみてください。

おしゃべりで脳力アップ!

国民的人気者だった双子姉妹「きんさん・ぎんさん」を覚えていますか?
2012年にそのぎんさんの娘たちである4姉妹が健康に関する番組で取り上げられており、
今回のテーマにぴったりだったので紹介させていただきます。

当時、ぎんさんの4姉妹は長女・年子さん(98)、三女・千多代さん(94)、
四女・百合子さん(91)、五女・美根代さん(89)。
4人の平均年齢はなんと93歳でしたが、頭も体も元気そのもの。
毎日のように皆で集まり、縁側でおしゃべりをしていたそうです。

その内容は昔の思い出話や日常生活で気づいたことなど些細な雑談ですが、
相手の言葉をとらえた的確なツッコミや、
キャッチボールのようにポンポン弾むユニークな会話に「お年寄りとは思えない」と専門家も驚くほど。

4姉妹の方々は特に意識していないようですが、
これが知らず知らずのうちに脳のトレーニングになっていたようです。

「おもしろいことを言ってみんなを笑わせよう」とか
「楽しい気分にさせよう」と考えながら会話しようとするには、
脳を活発に動かさないと言葉は出てきません。

さらに4人が大好きな昔話は、無意識のうちに記憶力を強化することにつながっていました。
過去の経験を言葉にして語ることで記憶をより確実なものにしていたのです。

また、4人それぞれが覚えていることを会話によって出し合うことで
1人では細かく思い出せなかった事柄がはっきりと甦ります。
「そのときはそうだったね」と言ってそれを再び記憶することで、
記憶がどんどん定着していきます。

このようにただのおしゃべりに見えた4人の雑談は、脳にとって非常に効果的なトレーニングとなっていたのです。

このおしゃべりと同じように、
経験したことをアウトプットする日記やブログも記憶力の維持に有効であると言えます。

文章にするためには物事を理解することが必要です。
その理解した分、知識が頭の中で整理されて覚えやすくなったり思い出しやすくなったりします。
写真やメモは記憶を引き出すきっかけになるので、積極的にとっておくといいかもしれません。

生活習慣の改善も大切

ここまで実際に記憶力を上げるための具体的な方法を紹介してきましたが、
それと同じくらい大切なのは日常の生活習慣を整えることです。

日頃から脳トレを心がけることは重要ですが、それ以上に脳を健康な状態にしておかないと、
せっかくの努力も無駄に終わってしまうでしょう。

特に睡眠不足は記憶力や認知機能の低下に直結しています。
なぜなら人は寝ているときにその日の記憶を整理して定着させているからです。

必要な情報といらない情報を取捨選択し、大事な情報だけを記憶として残していますが、
睡眠時間が短いとその整理がうまくできません。

そうなると覚えたはずの情報が思い出せなかったり、
新たな情報を記憶することにも悪影響がでてきます。

脳の休息と記憶の整理に必要な睡眠時間は一般的には6時間以上と言われています。
生活習慣を見直し日々の生活リズムを整えるよう心がけましょう。

また、適度な運動も大切です。
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、
記憶を司る器官「海馬」の血流量を増加させます。
その有酸素運動を継続することで、海馬の容量を大きくさせるという研究結果が報告されています。

アルツハイマー型認知症の特徴としてこの海馬が萎縮することが挙げられているので、
記憶力の維持や向上はもちろんですが、
認知症予防のためにも適度な運動は非常に有効であるといえるでしょう。

記憶力の維持・強化に必要なこと

認知トレーニングをする
■頭の回転速度を高める。
 (例)速読や計算問題をする。
■作動記憶を強化する。
 (例)5桁の数字を覚え、それを逆に言ったり書いたりする。
思い出す力を維持する
■体験したことを人に話したり、日記やブログにまとめたりする。
■写真を撮ったりメモをつけたりする。
運動や食生活を大切に
■有酸素運動で脳の血流を上げる。
■毎日の適度な運動、3度の腹八分の食事で生活習慣病を防ぐ。
社会性・コミュニケーションをもつ
■話し相手を持つ。
■人のために働く。

歳だから…で諦めない

「知人の顔が思い出せない」「新しいことが覚えられない」など、
終活世代になると誰しも感じる記憶力の衰えは、
しっかり対策をとることができれば十分記憶力を取り戻せることが分かりました。

筋肉と同じように使わなければ衰えていってしまう脳ですが、
高齢になっても積極的に脳を使う習慣を身につけることで記憶力の低下を防いだり、
さらには脳力の向上も可能
なのです。

2025年には700万人に達するといわれる認知症患者。
終活をはじめようと思う方にとっては、他人事ではありません。

しかし、規則正しい生活や友人や家族とのおしゃべり、それに適度な脳トレーニングなど、
日々のちょっとした習慣や心がけで将来の認知症患者数は改善できるのではないかと思います。

何歳になっても鍛えることができる脳。
日常の小さな一工夫で記憶力を維持・強化し、長寿社会を楽しんで過ごしましょう。

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