【終活】記憶力アップで認知症予防①

2025年には700万人にも達すると言われている認知症患者。

その多くは軽い「物忘れ」から始まりますが、
加齢による記憶力や判断力の低下は認知症に関係なく、
シニアにとって避けられない現実です。

しかし50代にさしかかる頃から物忘れはとても身近なものになるので、
多くの人が自分の物忘れを「認知症かも…」と不安に感じていることでしょう。

そんな不安を少しでも解消するために、
記憶力の維持や強化につながるトレーニングを生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
今回は認知症を防ぐためのトレーニング方法やその効果を紹介していきます。

長寿社会を健康に、そして終活ライフを楽しみながら過ごすヒントにもなると思いますので、
ぜひ参考にしてみてください。

脳機能の低下は止められる!?

人は誰でも加齢とともに脳の機能が低下し、物忘れがみられるようになっていきます。

記憶力には覚える力と思い出す力に分かれますが、なんと覚える力は20歳頃にはピークを
迎えてしまいます。
そしてその後は低下し続けていき、40代以降になると急な下降直線をたどることになるのです。

しかしこれは丸暗記のような言葉や数字の並びをそのまま覚える能力で、
それ以外の「体験や経験」から学ぶ能力は20代以降も成長し続けます。

自分が納得できることや、役に立つこと、意味のあることを記憶する能力は、
なんと60代頃まで伸び続けるのです。

脳細胞は年齢とともにその数自体は減っていきますが、
脳を使えば使うほど脳細胞同士のネットワークは新たに構築され維持されます。
頭の良さは「脳のシワが多い」ならぬ、
「脳細胞ネットワークが密であること」によるともいえるでしょう。

また、認知症は脳細胞が壊れることが原因で発症する病気ですが、脳細胞ネットワークが
密に張り巡らされていると、脳のどこが壊れてもそれを補うバイパスルートが
できやすくなります。

つまり年齢を重ねても、複雑で密な脳細胞ネットワークを維持することが記憶力や
認知機能の低下を防ぐことにつながる
のです。

楽しむことで、脳はフル回転

脳はさまざまな機能を同時に使うことでどんどん鍛えられていきます。

そこに作業そのものが楽しく達成感があれば、
脳は複雑な情報処理でも素早く的確にこなしていきます。
つまりやる気や快感をもって何かに取り組むとき、
脳はそのパフォーマンスを余すことなく発揮してくれるのです。

例えば、お金を賭けない「健康マージャン」をしている高齢者の脳年齢を調査した結果、
その年齢は平均して実年齢より3歳若かったそうです。

マージャンをしているときは知的活動や相手の気持ちを読むことに関わる脳が活発に働き、
自然と脳を複雑に機能させることにつながっていたのです。

また、頭を使うだけではなく同時に体を動かすのも効果的です。

「1歩目と4歩目に横に大きく踏み出し、3の倍数で拍手する」というような、
決まった数のときに足を横に出す、手を叩くといった複数の課題を同時にこなす
多重課題運動療法などが効果があるとされています。

この体操は「コグニサイズ」と呼ばれ、英語のコグニション(認知)とエクササイズ(運動)を
組み合わせた造語です。
コグニサイズをした集団としなかった集団を一定期間追跡したところ、
前者で認知症の発症や進行が遅くなったという調査結果があります。
脳血流が良くなり記憶に関わる海馬の体積が増加するといった報告もされています。

認知症の発症を遅らせたり予防することを期待されているコグニサイズ。
難しい課題にどんどん挑戦することで、間違えても笑って楽しみながら運動できれば
その効果は倍増するでしょう。

このようにいい意味で脳に負担をかける、つまり夢中になれることを
日々の生活に取り入れて、気軽に楽しく認知症対策に取り組んでいくのもいいですね。

速読や資格試験で情報処理能力アップ!

楽しみながらトレーニングすることで脳力を高める方法はとても有効ですが、
毎日コツコツ着実にトレーニングに取り組みたいという方もいるでしょう。
そんな人にオススメなのが速読や資格試験に挑戦してみることです。

これは一定時間内に計算問題を解いたり速読したりすることで、脳の情報処理能力を
高めるためのトレーニング
になります。

とくに速読は新聞や雑誌など身近にあるもので簡単にでき、さらに毎回どこまで読めたか
チェックしておくだけで読めた文章量を計りやすいというメリットもあります。

作業効率の違いを見えるようにしておくことで、自分の脳がトレーニングによって
どう変わったのか一目瞭然で確認できます。

また、各種の資格や英語検定など試験勉強をコツコツ続けるのもいいでしょう。
脳トレはいつでもどこでも簡単に行えるものですが、
それだとなかなかやる気が起きないし続かない…というのが正直なところかもしれません。

そこで有効なのは試験勉強です。
これは作業記憶と呼ばれる能力を高めることにつながります。

作業記憶とは、一時的に脳内の情報を保持しながら、
同時にその情報を操作し利用する記憶能力のことで会話や読み書き、
計算などの基礎となる大事な認知機能です。

思考力や理解力などをフル活用しなければならない試験勉強なら、
自然と継続してこの作業記憶を鍛えることになります。

なによりそこから得られる成果が資格取得という形で頑張った分だけ残るので、
その取り組みにも力が入るのではないでしょうか。

脳はトレーニングすることでいくつになってもその能力を向上していけること、
そしてそのためには自分である程度の負荷をかけることが大事
だということがわかりました。

しかしトレーニングというのは意識して継続していくことが必要です。
環境や体力的な問題もあり、なかなか難しいという方もいると思います。

そこで次回はもっと手軽にできる脳力アップ法を紹介していきたいと思います。

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終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、
次の世代に何を託すのかを決める作業です。

何かを決めるということは大変な作業ですが、

それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。

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