脱ワンパターン、ペットの名前

みなさん、ペットは飼われていますか?
もし飼われていたら、どのような名前をつけているでしょう?

「拳」と書いてパンチ、「風和凛」と書いてフワリ…などなど、ペットの世界でも
キラキラネームが目立つようになりました。

動物とはいえ、家族の一員となっているペット。
その名前は流行にも影響を受けていますが、なにより飼い主がペットに持っている
「家族に対する愛情」が形になったものともいえるでしょう。

そこで今日は動物の命名について深堀していきたいと思います。

■飼い主のこだわりが詰まったネーミング

ペットの名前と聞いて、どのような名前を連想しますか?

代表的なのは犬なら「ポチ」、猫なら「ミケ」などを思いつくかもしれませんが、
それを実際に名前にする人は少数派ではないでしょうか?

なぜなら昔と違い現代では飼い主とペットの距離感がぐっと縮まっており、
動物といえど彼らは大切な家族の一員になっているからです。

ロシアのプーチン大統領が飼っていることで有名な秋田犬。
その秋田犬のブリーダーであるAさんは、生まれたばかりのメスの秋田犬の子犬に
「空如亜」と名前をつけました。
クゥ?ニョア?
いえいえ、実はこれで「アショア」と読みます。

この名前を付けた当時、ミサイル防衛システムのイージス・アショアが
話題になっていたそうです。

大きくなったアショアですが、不審な相手に牙をむく攻撃型ではなく、
むしろ素直で人懐っこい性格に育っているといいます。

メスのチワワを飼い始めたBさんは、子犬の名前をネットで検索し決めたといいます。

いくつかの候補の中から決まった名前は「ユズ」。
仲間をいっぱい作って欲しいので、名前に「友」という字を入れたかったBさんが
検索してヒットしたのは「友絆(ユズ)」でした。

ペットといえど飼い主の想いが詰まった名付けは、子どもにつけるものとその熱量は
変わらないのかもしれません。

■伝統的な「ポチ・ミケ」は絶滅危惧レベル

人の名前もそうですが、ペットの名前も時代とともに変化しています。

動物保険会社が調べたデータによると、ここ数年は「マロン」「ココ」「チョコ」「レオ」などが上位を占めています。
かわいい毛色や見た目から名前を付ける人が多いようです。

昔は犬といえばポチ、猫といえばミケが当たり前のようにつけられていましたが、
現代ではポチが315位、ミケに至っては2392位と大きくランク外となっていました。

また最近の傾向として、漢字を使った名前も増えています。
17年度の調査では小太郎など漢字だけの名前が22%を占めました。

励生(レオ)志音(シフォン)光音(ライオン)など、いわゆるキラキラネームが
混じってきたことも最近の特徴といえるでしょう。

Cさんが7年間飼っている愛犬は「茶太郎」といいます。

誕生日は家族で祝い、年賀状にも連名で名を連ねます。
出かけるときも一緒に連れて行きますが、ペット連れでホテルに泊まると、ドアにもきちんと名前が入っています。

表記は「苗字+茶太郎様」。
「チャタロウではない、家族なのだからきちんと漢字で書かれるべき」とCさんは話します。

ペットといえど家族同然。
だからこそ、ペットの名前の傾向が人間の命名に近づいてきているのでしょう。

■いつまでも長く親しむために

多様化するペットの名前ですが、その背景にはペットの長寿化も見えてきます。

専門家は犬の場合は純血化が進んでおり、その影響で寿命が延びていると話します。
平成30年の調査では犬全体の平均寿命は14.29歳、
猫全体の平均寿命は15.32歳でした。

室内で飼われるペットも増え、より家族との距離が近くそして長くなっている
現代のペットたち。

長く親しめるようにと漢字表記の名前や、かわいらしい名前を付ける飼い主が増えている
のもうなずけます。

ペットとのくらしは一緒にいる人に楽しさや活力をもたらしてくれます。
そんな彼らの名前をこだわって付けるのは、至極当然なことなのかもしれませんね。

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