【終活】男性の親介護、頑張りすぎないで

人生100年時代と言われるいま、介護問題は誰もが無関係ではいられない状況です。
そんな中、実の息子が自分の親を在宅で介護する「息子介護」で悩む人が増えています。

もともと家事スキルが高くないのに、必要に迫られて介護しているという男性が多いうえ、
周囲に助けを求めることをよしとせず、一人で責任を背負いこむ傾向が強いためです。

その結果、介護虐待につながるケースも少なくありません。

では「息子介護」をする際に気をつけなければならないことは何なのでしょう?
そのポイントについて探っていきたいと思います。

■年々増える「息子介護」

総務省の2017年の調査によると、働きながら介護をしている男性は約150万人で、
実の息子が親の介護をする例は年々増えています。

昔は介護というと長男の嫁がやるものと考えている人が多かったのですが、
共働き夫婦が増え専業主婦が減っている現代では、介護はもはや嫁がやるものでは
ありません。

厚生労働省の調査によると、嫁が義理の親を介護するケースは半分近くに減っており、
16年には息子が介護する割合が嫁が義理の親を介護する割合を上回りました。

嫁にばかりは頼れない…ということで親介護を始める男性の多くは、
仕事でバリバリ働いて実績も積み上げているような中高年ということになりますが、
この年代の男性はいくら辛くても音を上げない人が少なくありません。

今まで仕事でしっかり実績を残してきたし、数々の困難を乗り越えてきたという自負も
あるうえ、じっと耐えることが美徳と考える人が多いからです。

しかし専門家は、息子介護においては「無理なことは無理」と割り切ることが
とても大切
なことだと話します。

現在在宅で親を介護する男性の中心は50~60代で、決して家事能力が高いとは
言えません。
必要に迫られ料理や買い物、掃除、洗濯などをしている人が少なくないのです。

そのうえ日常の介護スキルも乏しく、うまくできないイライラがストレスとなり、
遂には親への虐待に繋がるケースも生まれています。

■男性介護者のつらさを和らげるためにできること

「息子介護」は仕事ができる人であればあるほど、介護を一人で抱え込んでしまい
ストレスに押しつぶされてしまう危険性が高くなります。
そのため、少しでも負担を減らすために早めの準備と心構えをしておくことが
大切になってきます。

50代になったら将来親の介護をするための備えを始めていくのが良いでしょう。

本格的に介護が始まらないうちであれば、ボランティアなどでグループホームや
介護施設に行って様子を見ておくのも役に立ちますし、日頃から家事に慣れておき、
いざというときに困らないようにするのも重要です。

親に介護が必要な症状が見られるようになれば勤務先に伝えることも
忘れてはいけません。

会社ごとにその対応はまちまちでしょうが、早めの対応で無理なく介護ができる体制を
整えることで、年間10万人と言われる介護離職を防ぐことにもつながります。

また、仕事とは別物と割り切りプロに頼むのも有効な手段です。

育児と異なりいつまで続くのか分からない介護に対し、消耗戦を挑むのは
無謀と言えます。
早い段階から地域包括支援センターなどに相談し、介護サービスの力を借りることが
必要です。

■息子介護、完璧を目指さないで!

仕事でしっかり成果を残してきたのだから、介護も完璧にこなすことができるはずだ!
…と思い込むのはとても危険です。

しかし、仕事を通じて能力が評価されることに慣れていると、
介護でいかに成果をあげるか、効率的にやれるかにとらわれがちです。

そこに落とし穴があることに気づく頃には、介護する側もされる側も
疲弊しきっているかもしれません。

息子介護に限らない話ですが介護で満点をとるのは潔く諦め、力を抜けるところは抜き、
頼れるところはムリせず頼っていきましょう。

完璧を目指さないことがむしろ介護を充実させ、介護破綻を防ぐ上でも
とても大切なポイントになるとも言えるのです。

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