【終活】介護現場を支えるシニア

人手不足が深刻な介護現場で、元気なシニアに活躍してもらおうという動きが広まっています。

介護の現場では資格がないとできない仕事以外にも多くの業務があり、そういった仕事に割かなければいけない労力が、現場スタッフの負担を大きくしています。

そこにシニアの力を投入し、資格の有無で業務を分け合うといった方法で人材不足をカバーしている施設が増えているのです。

そこで今回は信頼関係を築く高いコミュニケーション能力や豊富な人生経験を生かしながら、介護現場を支えるアクティブシニアを紹介していきたいと思います。

■ アクティブシニアが介護現場を救う

深刻な人手不足に悩む介護現場。

厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に、30万人以上の介護人材が不足すると予測しています。

増える業務量に対応するため、専門資格を持っているにもかかわらず雑用に追われがちなスタッフの負担とスキルの無駄遣いは、施設にとって大きな損失とも言えます。

そこで未経験とはいえ、シニア人材が大きな戦力になってくるのです。

神奈川にあるグループホームで働くAさん(71歳・男性)は、ほぼフルタイムで週5日介護スタッフとして働いています。

入居者の日常生活の支援や食事作り、声かけなど、細かな心配りができる人材として周囲のスタッフからの信頼も厚いAさんの勤務歴は10年以上になります。

この仕事に就いたきっかけは義理の母が脳梗塞を患ったことです。
妻や兄弟が介護する姿を見て、「自分にも何かできないか」と求人に応募したといいます。

施設には認知症の入居者もいて、業務は一筋縄ではいかないことも多いですが、「懇切に付き合い、こわばった表情が笑顔になるときはうれしい」と話しています。

さて、このAさんですが60歳の定年まで大手運送会社に勤務しており、これまで介護の仕事に携わったことは全くないため、特別な資格は持っていません。

しかし、利用者と心を通わすことが重要な介護業務では、資格がなくともできることが数多くあります。

シニア層は、豊富な人生経験を生かしたコミュニケーションで利用者との距離を縮めることができるうえ、さらに利用者と年齢が近いことで若いスタッフには作り出せない「安心感」を提供することができます。

特別な資格を持たずとも、介護職においてシニアは大きな戦力になるのです。

 

■ 介護の仕事に就くためには?

将来の介護職員数を各都道府県で推計したところ、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には約253万人の介護職員が必要になることが分かりました。

しかし、実際に確保できそうなのは約215万人で、約37.7万人の介護職員が不足する計算になります。

人員不足のために職員の業務量が増え、身体介助などの本来の業務に支障が出ているケースは少なくありません。

そこに未経験とはいえシニア職員のサポートが入ることで、現場全体の労働負荷を大きく軽減させることが可能です。

そのため最近ではシニア層を積極的に雇用する施設が増えています。

それでは介護の仕事を希望するシニアはどうすればいいのでしょうか?
いくつか方法があるので紹介していきます。

まず、介護現場での高齢者の就労を支援する自治体の制度を利用する方法があります。
自治体は人材派遣会社と組み、介護施設での就労を仲介していることがある
ので、そのサービスを利用しましょう。

また、人材派遣会社やシルバー人材センターなどに登録しておくのも有効です。
不定期にはなりますが、シニア人材を求める施設から声がかかると、出向いて仕事をするといった流れです。

補助作業の場合、フルタイムで勤務するケースは少ないため、自宅から近い施設で週3~4日程度働くという人が多いようです。

月収は10万円程度なので、収入より社会貢献を望む人材が求められています。

 

■ 今後も関心が集まる、シニアの介護職

元気なシニアが増え、定年後もセカンドキャリアを充実させたいと考えるシニア層は増えています。

また、仕事をし活動することで健康的な生活を送りたいと考えている人もいるでしょう。

そんな希望を叶え、さらには社会貢献にもつながる介護職は、これからのシニア世代にとって珍しくない仕事のひとつになるのかもしれません。

むしろ若い世代ではできない豊富な人生経験を生かした介護は、これから需要が増えていく可能性が十分あります。

第二の人生で生きがいを求めるシニア層と、現場の人手不足解消を狙う介護業界の双方に利点があるこの流れは、これからも勢いを増していくのではないでしょうか。

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エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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