【終活】シニアの再就職

60歳の定年が近づくと大半の会社員がしなければならない決断。
それは「今の会社に再雇用で残るか」それとも「違う会社に転職するか」です。

長い仕事人生を終えてセカンドステージを満喫したいところですが、年金を満額受給できるのは65歳から。
そのため「まだまだ元気だし、今後のために少しでも働きたい」と考える人が多いのです。

しかし、そのまま会社に残っても給与は減ってしまうケースが大半です。
ならばと、条件の良い職場を探し転職を始める人が今回のコラムのテーマです。

60歳からの新天地探しには何が大事なのでしょうか?
シニアの再就職の心得を探っていきます。

 

■シニアの再就職事情

長く同じ会社に勤めた人ほど、定年してからの転職には不安がつきまといます。
しかし現役時代には成し得なかった、自分の夢を叶えるチャンスになるかもしれません。

大手精密機器メーカーに勤めていた川崎市の女性Aさん(61)は、転職し都内の語学学校で教壇に立っています。

授業はコマ単位の時間給のうえ非正規雇用なので、メーカーに残った方が収入が多く安定していました。
それでも転職したのは「昔から教師になるのが夢だった」からです。

イキイキと活躍できる環境を手にいれたAさん。
「もし前の会社に残っていたら、今頃はたそがれ感に包まれていた」と笑顔で話します。

しかしシニアの再就職への道は、決して安易なものではありません。
都内の大手IT企業の管理職だった男性Bさん(62)は、59歳の時に早期退職し再就職を目指していました。

10社に履歴書を送り「すぐに決まる」と思っていたのですが、結果は9社に書類選考ではじかれ、合格した1社はブラック企業だと感じて辞退する結果になってしまいました。

全滅したことに気落ちしてしまったBさんですが、気を取り直し半年後に転職支援会社の力を借り、技術者の派遣・紹介会社への再就職を果たしました。
「よほど自分を奮い立たせ就職活動しないと、新たに職を得るのは難しい」と語ります。

 

■自分のスキルを整理する

年齢制限やスキルのミスマッチなど、60代での再就職には多くの困難がつきまといます。
ではアラ環で転職を成功させるために必要なことはなんなのでしょう?

人材サービス会社のコンサルタントは「ポータブルスキル(持ち運べる技能)」を身につけておくべきだと話します。

ポータブルスキルとは、自分が勤めた会社以外でも通用する能力のことをいいます。
財務や法務のプロのような高い専門性がなくても、管理能力や組織への適応力など、どの会社でも重要視されているノウハウを転職先でどう生かせるかが鍵です。

例えば介護の現場は初めての経験でも、「前の会社の人事・労務管理の経験を生かし、離職者を減らすことはできる」といった具合にアピールできれば、再雇用先も納得・安心して雇うことができます。

また、メガバンク支店長経験者などがマンション管理人に応募するケースもめずらしくありませんが、優れた事務処理能力を持つ人材が多いことから、採用する側も歓迎する傾向にあるのです。

 

■いつまでも、誰かのためになれる人生

単純に給与だけ考えれば、定年後も同じ会社に残った方が有利です。
しかし、やりがいやスキルアップを求めるのであれば、再就職で得られるものは大きいでしょう。

心機一転しても自分のことを必要としてくれる仕事につけるのであれば、満足度の高いセカンドライフが待っています。

そのためには55歳を過ぎたら「何を優先して働くか」「自分のポータブルスキルは何なのか」をしっかり考え、整理しておくことが重要です。

人生100年時代。いつまでも元気で人に必要とされる人生を歩んでいきたいですね。

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エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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