妻は「へそくり」しっかり確保…。みなさん、へそくりはお持ちでしょうか?
あおぞら銀行が2018年に行ったアンケート調査によればシニア世代の約43%が家族が知らない自分だけのお金、つまり「へそくり」を持っているとのことです。
男女別で見ると男性が63万円だったのに対して、女性は約1.5倍の96万円と大きな差が出ました。
妻が家計を管理してきた世代の特徴が浮かび上がったともいえますが、そこから女性ならではの将来への備えも見えてきます。
今回はそんなシニアの「へそくり事情」について掘り下げていこうと思います。
■日本の貯蓄・へそくり文化について
家族に内緒で貯めている人も少なくないへそくり。
タンスに隠す場合も多く「タンス貯金」などとも呼ばれていますが、なんとこのタンス貯金、日本全体で44兆円もあると言われています。
すべてが「へそくり」というわけではありませんが、なぜ使わずに隠し持つという文化が生まれたのでしょうか?
そこには3つの理由が挙げられます。
一つ目は戦後生まれの団塊の世代にポイントがあります。
この世代は「サラリーマン」という職業を歴史上初めて確立した世代で、30代半ばまでは子どもの教育費や住宅費などの出費に四苦八苦し、40代以降はひたすら貯金に邁進。
そして現役時代に積み立てた貯金を、引退後に取り崩すというライフスタイルをつくりだしました。
二つ目は老後の暮らしのためです。
戦前の貯蓄率が低かったのは、老後は子どもに面倒をみてもらう暗黙の了解があったからですが、経済成長する中で、そうした老後の世話の仕組みが少しずつ崩壊。
「自分の老後は自分で」という流れになりコツコツ貯金をしたり、いざというときの備えとしてへそくりしたりする行動が広まりました。
三つ目は日本の給与体系に関係します。
ボーナスなしの月収30万円で年間360万円を受け取るケースと、月収は20万円ですがボーナスを年間120万円支給されるケースで比べると、圧倒的に後者の方がお金を貯めやすいでしょう。
消費行動の点からみて、人は受け取った給与をきれいに使い切る生活設計を立ててしまいがちです。
その点、ボーナスが支給される日本の給与体系は貯蓄向きであるといえるのです。
■女性のへそくりは なぜ多い?
あおぞら銀行が55~74歳の男女を対象にインターネット調査を実施した結果、シニア女性のへそくりは男性の約1.5倍にあたる96万円にもなっています。
夫はお小遣いがある家庭がほとんどですが、主婦が毎月お小遣いをもらっているということはあまり耳にしません。
それでは女性はどのようにして男性の1.5倍ものへそくりを貯めているのでしょうか?
家族にばれるほどへそくりしていては家計は破綻してしまうので、ほとんどの人はコツコツ地道に貯めている人が多いようです。
その多くは「買ったつもり」や「節約」といった少しずつの我慢の積み重ねなので、時間と根気が必要です。
「ちりも積もれば山となる」を体現しているのが女性のへそくりとも言えます。
さて、女性がへそくりを貯めている理由ですが「男性より長生きするリスクへの備え」や「自分の楽しみのため」、他にも「子どもや孫・自分の両親に使うため」などが挙げられます。
女性の方が平均寿命が長いことで、一人残されたあとに備える意識が男性より高いのは当然かもしれません。
また、夫に留守を頼んで気兼ねなく友人たちと旅行やランチに出かけるには、やはりへそくりがあると心強いです。
他にも自分の両親を旅行に連れて行くなどの親孝行にも使いたいでしょうし、巣立った子どもに食事をごちそうしたりお小遣いを持たせたりしたいとも思います。
自由に使えるお金の他にも、いざ何か不測の事態があったときの予備費という意味合いが強いへそくりもあるでしょう。
よくテレビドラマなどで「これは母さんが貯めていたお金なんだけど使って」とお金を差し出すシーンがありますが、緊急時にこれほど心強いものはないかもしれません。
また、「離婚」という別の緊急事態に備えてへそくりをしている女性も少なくありません。
夫婦仲が悪い女性は夫婦仲の良い女性に比べ、へそくりが多いという調査結果もあるようです。
重ねて男性よりも女性の方がへそくりが多いという事実は、「離婚に向けて、ひそかに貯めている」ということも暗に示しているのかもしれません…。
■へそくりは心強い頼れる存在
家族が知らないお金をひそかに貯めていることに対してマイナスイメージがあり、心苦しくなる人もいるかもしれません。
しかしある程度のへそくりは家計の余裕であり、なにかあったときには心強い存在でもあります。
特に60代以降は仕事を引退し収入も減ってくる時期なので、へそくりに頼ることも増えるかもしれません。
人生100年時代と言われるいま、長い人生を穏やかに過ごしていくために、目的がなくても臨時収入や節約して浮いたお金を貯めておくに越したことはないでしょう。
そして、たまには自分へのご褒美としてへそくりを自由に使うのも、心の健康を保つために有効なことです。
ただ人知れず、へそくりを残したまま廃棄されてしまっては元も子もありません。
そんなことにならないよう、リガーズサービスの「エンディングノート」を使って残された家族にへそくりの場所を伝えておくことをオススメします。
リガーズサービスの「エンディングノート」は、パソコンで制作できるため、何度でも書き直すことができます。
さらに、自身が設定した相手のみが閲覧できるため、他の方に見られる心配がありません。
大事なへそくりを大切な家族へ安心して渡すため、「エンディングノート」をぜひご利用ください。
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何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
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