【終活】「かかりつけ医」を見つけましょう

体の不調や健康問題を気軽に相談でき、必要なときには専門の医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる医師のことを「かかりつけ医」と呼びます。

健やかな毎日を送るために非常に心強い存在ですが、40代以下の5割の人にはかかりつけ医がいないというのが現状です。

かかりつけ医の必要性は分かるけれど、医療機関の看板には数多くの診療科が掲げられ、ホームページにも医師の肩書きや経歴がずらり…。
正直何を決め手にして選べば良いのか分からない、という人が多いのではないのでしょうか。

しかし、普段の健康状態をよく知っているかかりつけ医がいれば、いざというとき安心して受診でき、納得のいく医療につながります。

では、自分に合ったかかりつけ医を見つけるためにはどうすればいいのでしょう。
今回はかかりつけ医がいることのメリットと、その探し方について考えていきたいと思います。

■40代以下の5割に「かかりつけ医」がいない

かかりつけ医は紹介状が必要な大病院ではなく、身近な診療所や病院で健康のことを何でも相談でき、必要なときには専門の医療機関へ紹介してくれる医師です。

少し体調がおかしいなと思っても、気軽に相談できる医師がいなければ自己判断で放置してしまうこともあるでしょう。

もしかしたらその頭痛や腹痛には大きな病が潜んでいるかもしれないのに、相談できる人がいないために無理をしてしまい、さらに身体の調子を崩してしまうこともあります。

そんなとき、体調の変化に気付く専門家となるのが「かかりつけ医」です。

予防も含めて普段から何でも相談できる関係を築いておけば、かかりつけ医の診療や相談は大変心強いものです。

しかし、若い世代を中心に、かかりつけ医がいないという人が少なくありません。
2014年に日本医師会総合政策研究機構が成人約1100人に対して面接調査したところ、「かかりつけ医がいる」と答えたのは53.7%。
年代別では70歳以上で8割、50、60代で6割ですが、40代以下では半数以下となり、かかりつけ医が見つけにくい状況が浮かびます。

その背景には「探し方が分からない」だけではなく、疾患や臓器別の専門医の育成が中心だったため、幅広い病気の知識のほか、健康問題にも対応できる医師が多くないという事情もあります。

■かかりつけ医の必要性

かかりつけ医の定義について日本医師会は「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」としています。

それは、日頃から患者の病歴や健康状態をよく理解していて、診療行為や健康管理上のアドバイスなどもしてくれる上、必要な時には専門の医療機関へ紹介してくれる医師です。

一般的な病気の治療や健康相談の窓口、さらには大きな病院との架け橋にもなってくれるかかりつけ医は、年齢に関係なく、ぜひ見つけておくのが望ましいでしょう。

それでは、かかりつけ医をもつメリットをみていきましょう。

■かかりつけ医の見つけ方

医療機関の看板は「内科・小児科・皮膚科」など、複数の診療科が掲げられていることが多くあります。

ホームページにも医師の肩書きや経歴がずらりと並び、何を決め手にかかりつけ医を選んだら良いのか決めかねている…という人もいるのではないでしょうか。

ひとつの目安として、「診療所の多くは、得意な診療科を最初に挙げている」と専門家はいいます。

「循環器内科・消化器内科」と掲げていれば、循環器を専門としているとみられるので、主に高血圧や心臓など循環器系に不安がある人はこうした医療機関が選択肢のひとつになります。

女性にとっては「産婦人科」はかかりつけ医の有力な選択肢です。
産婦人科は「女性の総合診療科」と呼ぶ専門家もおり、思春期から成熟期、老年期まで一生をサポートできるともいわれます。

また、かかりつけ医には幅広く診察できる内科医がよいとされていますが、その限りではありません。

内科の病気では定期的に通院していないが膝や腰に痛みがあり、長年整形外科に通院しているという人は多いのではないでしょうか。
その場合はその整形外科医がかかりつけ医でも構わないのです。

普段から患者のことをよく知っていて、健康状態や心身の悩みなどについて気軽に話し合える医師であれば、専門医ではなくても適切な病院や診療科を紹介してくれるでしょう。

専門性の高さはかかりつけ医としての能力と同じではありません。
かかりつけ医は、患者の症状に応じて地域の看護や介護の専門職、さらには専門性の高い医師と連携できることが重要なのです。

■自分に合った「かかりつけ医」を見つけましょう

どんなかかりつけ医を望むかは一人ひとり異なります。
「丁寧に対応してくれる」「治療のマイナス面も説明する」など、何を望むのか具体的な基準を決めてから受診するのがよいでしょう。

事前に電話して応対が良かった医療機関を受診し、自分の基準にあった医師ならすぐに決めるのもかかりつけ医を見つけるコツのひとつです。

逆に患者の状況を考えず、特定の治療法だけを勧めるような極端な考え方の医師は避けるべきでしょう。

まだ健康に自信があり、受診の機会が少ない人にはかかりつけ医の必要性は低いのかもしれません。

しかし、年を重ね心身の状態に変化があったとき、いつでも気軽に相談できる医師をもっていれば日常生活を安心して送ることができるのではないでしょうか。

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