【終活】墓石に込める想い

近年お墓のカタチが変わってきています。
縦型や横型もあれば「絆」「愛」などの文字が刻まれたモダンなお墓も増えてきています。
墓石の形は上に縦長の墓石が載る三段の「和型」が主流で、これまでこの形が圧倒的に多く、デザインも数百年変わりませんでした。
ところが戦後の高度経済成長期以降、2つの大きな変化の波にさらされ、多様化の時代に入ってきています。
今回は、そんなお墓がどう変わってきているか変化についてお話していきたいと思います。

●お墓の歴史

お墓の歴史は平安時代にさかのぼります。
仏教とともに石工の技術が伝わり、支配階級に供養塔や五輪塔を建てる習慣が生まれました。
一般の方がお墓を建てれるようになったのは檀家制度が確立した江戸中期です。
当初は個人、夫婦墓が主流でしたが、明治中期以降に家制度が確立したことで、家単位でお墓を建てることが定着しました。
それ以来お墓は先祖の霊を供養するとともに、その人が生きた証を残すという意味で特別なものとして扱われ今日にいたります。

●近年のお墓の傾向

近年のお墓は、先祖が眠る場所という意味合いだけではない傾向が見られます。

お墓は先祖が眠る場所だけではなく、遺族が故人を思い出す場所や故人が先祖や家族とは関係なく、そこに眠りたいと思う場所など、多様な意味を含むようになってきました。
そのことからお墓の意識が先祖代々眠る伝統的なものから、故人や遺族の考えを尊重し、その希望に合わせて建てられるという考えの変化が見られます。

変化の1つとしてあげられるのが洋風化の波です。
1965年(昭和40年)頃、横長の「洋墓」が登場し、右肩上がりで増えてきました。
一般社団法人全国優良石材店の会が、毎年行ってるアンケート調査によると、2015年(平成27年)に初めて洋型が和墓を逆転し、差を広げています。

逆転した要因に地震があげられます。
過去の大地震で多くの和墓が転倒したため、倒れにくい洋墓を選ぶ人が増えてきました。
さらに考えられるのが価格です。
シンプルな洋墓なら和墓の半額程度の価格になるほか、場所も取らず製作期間も短いということで、地方から都市部に労働者が流入した60年代以降は、都市部で墓地が不足したため、安くて省スペースで短期間に作れる洋墓のニーズが急速に高まってきたようです。

さらに変化としては、お墓のデザイン化の波があげられます。
故人が生きていた証をカタチに遺したいとの思いから、特注の「デザイン墓」が注目をあびています。

大阪府寝屋川市に住、玉田 恭子さん(80)は6年前に亡くなった音楽好きの夫のために、グランドピアノの形をしたお墓を建てました。
玉田さんの夫は、生前大学のオーケストラサークルで活躍していた頃、暇をみては家でピアノを弾いていたことから
「あの世で思う存分、弾いてね」という思いで建てたそうです。

ほかにも、故郷の風景を表すお墓も目立ってきています。
茨城県ひたちなか市の真賀謙三さん(68)は亡くなった父親の故郷、北海道土砂川町の炭鉱を再現したお墓を建てました。
亡くなった父親が生前、炭鉱で働き自身もその土地で育った思い出の地だったため、「ここに来れば、故郷を思い出すことができる」と思い、デザインしてもらったそうです。

有名人のお墓も個性豊かなものが多く、ロックバンド「X JAPAN」のギタリストhide(ヒデ)さんのお墓は、墓石に「hide」の文字が彫られ、横にはギターのレリーフと代表作の歌詞が刻まれています。
hideさんのお墓には、ファンからのたくさんの花束が供えられており、お墓に訪れたファンからは「素晴らしい音楽をありがとうと伝えたくて来た」と話していました。

お墓は遺された家族や故人に想いを寄せる人のためにあり、その人を偲ばせる形状であればあるほど、感情移入しやすくなりますね。

●変化する供養のカタチ

デザイン墓や洋墓が増える一方、墓じまいを希望される方が増えているのも現実です。
家族のあり方が変わってきた中、ご先祖様を偲ぶカタチも変わりつつあります。

リガーズサービスの「なごリスト」は、お墓・お仏壇などにQRコードシールを設置し、事前に登録しておいたご先祖様の写真が見られる新しいカタチの供養です。
お墓の前で、故人を偲ぶためにご利用することもできますし、墓じまい後、故人を思い出すきっかけとしてもご利用いだけます。
どんなに供養のカタチが変化しても、故人を想う気持ちには変わりはありません。

しかし、忘れてはならないことはご先祖様を敬う気持ちです。
今があるのはご先祖様のおかげです。
感謝の気持ちを忘れず大切にしていきたいですね。

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エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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