終活は何からはじめたらいいの?
終活のはじめ方にはお手本があるの?
など、終活を考えておられる方々から終活をはじめる手順を尋ねられることがあります。
しかし、それぞれの人生が違うように、
終活にもきまったマニュアルはありません。
今回取り上げるカードのお話は、ある人にとってはとても終活に役立つ話題です。
やるべきことやらなくていいことをコラムを通して判断していただき、
充実した終活を目指していただければ幸いです。
現役時代に利用していたクレジットカードを、
定年退職を機会に整理しようと考える人は多いと思います。
引退後は仕事を持っていた頃とはライフスタイルが大きく変わるので、
現在の生活に合わせたカードの見直しは
家計の負担が減るだけでなく、利便性の向上にもつながっていくでしょう。
しかし、整理の仕方を間違ってしまうと、あとで後悔することもなきにしもあらず…。
そこで今回は、終活世代のクレジットカードとの付き合い方について考えていきます。
クレジットカードは何歳まで作れる?
一昔前は、60代になるとクレジットカードを作るのは難しいとされていましたが、
近年は定年時期が遅れていることもあり、65歳くらいまではそれほど厳しい審査を通らなくても
クレジットカードを持てるようになっています。
ただし、大半の人が現役生活を終える65歳を超えると収入は年金のみになるケースが多くなるため、
年齢を重ねるにつれて審査が厳しくなっていくのが一般的です。
その背景には、高齢になると高い消費が期待できないことや、
突然返済不能になるリスクがどうしても上がってしまうことなどが挙げられます。
また、カード会社によって審査基準は違いますが、
年金を収入として認めているかどうかも現役を退いた終活世代にとっては、
大きなハードルになってきます。
もし年金を収入として認めていないカード会社であれば、
返済能力がないとされ申請を受け付けてくれない可能性が高くなるでしょう。
ただし、何らかのビジネスで安定した収入があると証明できれば、
高齢であってもクレジットカードの取得は可能です。
ちなみに、現役時代に利用していたカードは、
返済さえ滞らなければ基本的に持ち続けることができます。
そのため、定年退職前の50代から60代前半の間に
リタイア後を視野にいれた長く使えるクレジットカードを作っておくと安心です。
特にハイステータスなカードを希望するのであれば、定年退職前に持っておかなければ、
年金生活で作るのは難しいと考えておきましょう。
不要なカードの整理も大切
手持ちのカードが今の生活に必要なものかどうかを見直すのも、終活世代の重要なポイントです。
都内の会社員Aさんは、高齢の母親(81)のクレジットカードの年会費がもったいないと話します。
母親は60代まで大手企業に勤務し、海外出張に出かけるなどカードを使う機会は多かったそうですが、
最近は遠出することも減り、買い物も身の回り品程度でカードを利用することが減っています。
しかし、現役時代と同じカードを契約し続けているため、年会費は1万円を超えているそうです。
ライフスタイルが変わっているのに、
仕事を数多くこなしていた現役のときと同じカードを持ち続けるのは、
維持費の面から見てあまり得策ではありません。
また、たくさんのカードを所有しているのなら、
管理面も考えて必要な数枚に絞り込みを行うべきでしょう。
一度すべてのカードを集めて、
どのくらい維持費を払っているか付帯されているサービスや特典を確認し、
いまの自分に必要なものだけに絞り込んでいくことが大切です。
クレジットカードはシニアの生活サポートアイテム
絞り込みは大切ですが、
全てのクレジットカードを解約するのは避けた方が良いでしょう。
なぜなら引退後の生活では、
現金以外の支払い手段をもっておくメリットが大きいからです。
ここから地方都市在住の女性Aさんの失敗談をご紹介します。
現在70代のAさんは、
年金生活に入るのを機に手持ちのクレジットカード10枚ほどを全て解約しました。
今後大きな買い物をする予定もありませんでしたし、
所持していたカードの中には高額な年会費が発生するものもあったので、
年金生活での負担を少しでも軽くしたいとの思いがありました。
飲料や米などの重い食料品や、
かさばる商品をインターネット通販で購入していたAさんは
代金引換を利用することにしましたが、
商品が届く際に必ず家にいなければならないことや、
その都度現金を準備しなければならないこと、
さらには代引手数料までかかってしまうことに不便を感じ始めました。
そこでAさんは再びクレジットカードを申し込むことにしたのですが、
なんと審査に落ちてしまったのです。
この例では、
解約に踏み切る前に自分のライフスタイルから、
必要なカードをよく吟味することの大切さが見えてきます。
最近では長期入院時の病院への支払いや、
国・地方自治体への納税などカードが利用できる場面は広がっています。
今後の消費行動を想定し、
生活をサポートしてくれる便利ツールとしてクレジットカードの所有を検討してみましょう。
シニアのクレジットカード、ここがポイント
必要最小限を所持
現金以外の支払い手段として便利。ただし何枚も持たないこと。1〜2枚あれば充分でしょう。
年会費無料のものがおすすめ
年金生活では年会費は負担になってしまいます。はずせない特典があれば別ですが、
有料カードは基本的に避けましょう。
新規契約には制約も
定年後などに新たに契約する場合、利用上限は現役時代に比べ低くなる場合があります。
特典をチェック
シニア向けの特典があるクレジットカードが増えているので、
自分のライフスタイルにあった特典内容を選びましょう。
シニア対象のクレジットカードや審査不要のデビットカードも
退職後に新たにカードを持ったり、
定年後を見据えたカードをあらかじめ作っておきたい場合、
年会費とともに自分に合った特典内容のカードを選びましょう。
60代になると、
気ままでゆとりのある終活ライフを送りたいとの希望もでてくると思いますが、
そんな理想をサポートしてくれるシニア限定特典を備えたカードなど、
ステータス性やサービス性の高いカードが増えています。
ビューカードの「大人の休日倶楽部カード」は50歳以上が対象で、
JR東日本・北海道の切符が5~30%引きで購入できます。
普段使いでお得にカードを活用したいなら、
高いポイント還元率や割引サービスが受けられるものがおすすめです。
「イオンJMBカード(G.Gマーク付き)」は55歳以上向けに発行され、年会費が無料。
そしてネットショップを除くイオンなどの買い物代金が毎月15日に5%引きになる特典があります。
このように余暇の楽しみから、日常生活での節約をサポートしてくれるものまで、
ここでは紹介しきれない程数多くのシニア対象のカードがありますので、
理想のライフスタイルに合わせて選んでみてください。
また、こうした特典に関心がない人であれば、
審査が不要で定年後でも簡単に契約できるデビットカードや、
プリペイドカードも選択肢に入れると良いでしょう。
銀行口座から利用額を原則として即座に引き落とすデビットカードや、
事前入金した額の範囲で使えるプリペイドカードは、
クレジットカードに比べれば特典は少ないですが、
利用できる店舗やネットショップなどの範囲はほぼ同じです。
また、デビットカードは不正利用保障が付いているので、
落としたら終わりの現金より安全と言えます。
選択肢が多い、現役時代からの見直し
上の項でも紹介しましたが、高齢であることから発生するリスクを避けたいカード会社は、
60代後半になると審査を厳しく設定し始めるといわれます。
80代ともなればクレジットカードを新たに持つのはかなり難しいというのが一般的です。
このことから、定年後の自分に合ったクレジットカードを検討し始めるのは、
50代からでも早すぎることはないのかもしれません。
現役で働いていて安定した収入があれば、
50代なら新規でカード会員になれる可能性はとても高いのです。
作りにくいカードであればあるほど、
審査に通りやすい現役のうちに作っておくのがおすすめです。
リガーズサービスのコラムについて
リガーズサービスのコラムでは、医療や福利厚生、
より良いシニアライフの考察に役立つ情報を幅広いジャンルからピックアップして配信します。
エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、
次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。
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