年齢を重ねるとともに、足腰の筋力が衰え立って歩くのにも一苦労し、物忘れが多くなる…。
終活世代になると、ある程度覚悟する現象ですが、
今まで”老化”とひとくくりにされてきたこの症状が、
現在「フレイル」という名称がつき警戒されています。
これは日本老年医学会が「Fraility(フレイルティー)」という老衰や虚弱を意味する英語をもとに考案したもので、2014年に健常な状態と要介護状態の中間の状態と提唱しました。
文字通り高齢者に良く現れる症状で、要介護予備軍として注目されています。
今回はそのフレイルについて紹介します。
フレイルは3つの要因から生まれる
フレイルになってしまう要因として3つ上げられています。
一つは「身体的要素」、次に「精神的要素」、最後に「社会的要素」です。
まず多くの高齢者が健康な状態から、
年齢を重ねることによって筋力が衰えてしまう身体的要素のひとつ「サルコペニア」という状態になり、それにより基礎代謝が下がり1日のエネルギー量が減ってご飯を食べる量も減っていき、
低栄養となります。
さらにそこに精神的要素である認知症などの症状が出始めると、外出などの活動量も減っていき、
家に閉じこもりがちとなり他者との交流が減少してしまう社会的要素も加わってしまい、
フレイルが進行してしまうのです。
主に全身に現れる具体的な症状としては、
物忘れが多くなる、関節の節々が痛くなる、階段が辛い、重い物が持てない、持久力がなくなるなどが挙げられます。
また、普段感じることが意外と少ない口の中でもその影響は出ています。
食べ物を咀嚼しにくくなったり、口角から食べ物がこぼれ落ちやすくなったり、
会話の頻度が減ったりしたら要注意です。
他にもむせたり、滑舌が悪くなったり、唾が出ず口が渇いてしまうのもその一つです。
まず自分自身でそういった症状がないか、普段の生活でチェックをしてみてください。
フレイルは予防できる!よく動きよく食べよくしゃべりましょう。
フレイルの予防ポイントは、先ほどの3つの要因を意識するだけです。
「運動」「栄養」「社会参加」。これらを抑えておけば日常の中でも予防ができます。
筋肉量を増やすには有酸素運動が必要とされているので、
まずはウォーキングをしてみるのが良いでしょう。
1日最低でも5,000〜6,000歩のウォーキングを続けていると、筋力の低下を防げます。
筋トレにも筋肉量増加の効果があるので、
ジムなどトレーナーの指導のもと筋トレを中心とした運動を行うと効果的です。
ジムに通うのが難しいという人は、セラバンドというゴムのバンドでも運動が行えるので、
お家で安全に筋トレをすることも可能です。
食事面では、男女問わず1kg当たり1gの筋肉のもととなるタンパク質を毎日食事から摂取することが望ましいとされています。
肉や魚、大豆、牛乳などがタンパク質を多く含んでいるため、意識して食事をしてみてください。
また、この終活コラムでも高齢者の低栄養に関しての記事を挙げているので、
そちらも参照していただければと思います。
「増える高齢者の”栄養失調”」
高齢になるにつれて社会と接するのがおっくうと感じ、
家に閉じこもってしまう高齢者も少なくありません。
そうした人とは老人会や趣味の会、
ボランティア活動などさまざまな場所で人と接する場を設けましょう。
特に男性の高齢者は、仕事に精一杯生きてきて、定年を迎え仕事がなくなると会話が減りがちになる方もいらっしゃいます。
こうした方は特に気にかけ、終活世代はおしゃべりぐらいがちょうどいいと思って積極的に話しかけてみましょう。
まとめ
年を重ねることは生きている限り仕方の無いことですが、
それに伴う身体の衰えや気持ちの低下などは予防できるものです。
将来、要介護状態などにより身体が思うように動かなくなってしまう前に、
有酸素運動やタンパク質が多く含まれた食事を摂るなど、
今できることをしておくことが、明るく元気に終活ライフを過ごすために必要なことです。
リガーズサービスのコラムについて
リガーズサービスのコラムでは、医療や福利厚生、より良いシニアライフの考察に役立つ情報を幅広いジャンルからピックアップして配信します。
エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、
次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。
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