認知症を完治させる薬はまだ存在していませんが、認知症治療への研究は日々進んでいます。
大阪市立大などの研究チームは、治療薬の開発に繋げようと
家族性アルツハイマー病になる特定の遺伝子を持つ未発症者に協力を要請し、
発症のメカニズムや薬の効果を調べています。
もちろん、世界の製薬会社も、長い間「認知症薬」の開発に取り組んでいますが、
1998〜2014年までにアルツハイマー型認知症薬の臨床試験(治験)に乗り出した127品目のうち、
新薬として販売できたのは、わずか4品目。
効果が十分に確認できないといった理由で製品化を断念し、
数百億の開発費が無駄になった例も多くあります。
4勝123敗。
厳しい結果が、製薬会社の敗北の歴史を物語っています。
一方では、そんな苦難の歴史を経て、一筋の光明も見えてきています。
症状が出る前の段階をターゲットにした、治療効果が期待できる新薬開発の活性化。
新薬は主に3つの理論に基づき、治療効果を狙っているそう。
一つのキーワードとして、認知症の進行に関係があるとされる、「アミロイドβ」があります。
アミロイドβは脳神経細胞の老廃物で、蓄積が続くと脳神経細胞先端部を傷つけてしまう物質。
このような物質が時間をかけて脳細胞を死滅させ、認知症を発症させます。
代表的な認知症の種類であるアルツハイマー患者の脳に蓄積する「アミロイドβ」を攻撃して減らす手法や、
この「アミロイドβ」が脳内に発生することを防ぐ手法など、開発は進んでいます。
医学、国を挙げた取り組みの両面で認知症と向き合う
日本は、認知症の方やその家族が積極的に周囲を頼ることができる社会へと変わろうとしています。
「認知症になってしまったから」と諦めるのではなく、
これからの未来は、互いに支え合うことのできる世の中になっていくことでしょう。
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