重い荷物を運んだり、農業や介護など中腰で作業を行うと腰への負担は
避けられない。そこで注目されているのが、アシストスーツ。
今回は、徐々に普及しはじめたアシストスーツの話題です。
アシストスーツには、駆動源のない無動力タイプとモーターを使った動力タイプがあります。
無動力タイプはゴムの伸縮力やゴムチューブの空気圧を利用して
動作をサポートするものが多く、価格は3万円以下のものから十数万円。
動力タイプは80万円以上するものが多く、個人で購入するにはまだハードルが高いようです。
野菜の収穫でパレットを台車に載せる作業の際、無動力タイプのアシストスーツを
使用している30代の農家の方の話だと
「一日中、作業すると腰に張りが出るがアシストスーツを使えば疲れが軽く済む」
とメリットを認めているそうです。
また、奥さんの介護で無動力タイプのアシストスーツを使っている60代の方も
「介護は中腰でする作業が多く、自分が腰を痛めたら在宅介護を諦めなければならない。
スーツを着ると腰が楽で安心感もある。もう手放せない」と話されたそうです。
年齢を問わず腰を痛めぬ安心感と、労力の軽減でアシストスーツは
大いに役立っているようです。
日本航空は昨年の2月から、社員を腰痛から守るためモーターを
使った動力タイプのアシストスーツを現場に採用。
羽田空港などで手荷物をベルトコンベアーに積み下ろす作業の際、
センサーが腰の動きを検知して、荷物を持ち上げるときは引き上げる力が働き、
下ろすときはブレーキがかかる仕組みになっており、腰への負担の軽減を図っている。
アシストスーツの国内市場は拡大していて、業務用から家庭用まで用途が広がっています。
作業支援の便利なアイテムとして知られることとなったアシストスーツですが、
新型コロナの感染拡大に伴って、高齢者の生活支援やリハビリ、トレーニングなどでも
使われるようになっています。
サイバーダインは高齢者の身体機能の向上を促す製品を自宅のトレーニング用に
レンタルを開始し、パナソニックの子会社は、
アシストスーツを着る遠隔フィットネスを開始しました。
サイバーダインの「HAL」は、脳から筋肉に伝わる生体電位信号を
とらえて動作を支援します。
これまで医療機関や介護施設にレンタルしていましたが、
個人には利用者の身体状況に適した3ヶ月のトレーニングメニューを提供。
料金は約25万円だそうです。
コロナ禍で「3密」回避の生活が定着する中、あるフィットネスクラブでは、
パナソニックの子会社(アトウン、奈良市)のアシストスーツを使って、
ビデオ会議システムを併用したレッスンを予定している。
センサーが利用者の動きを検知し、インストラクターが
スマホでデータを確認し助言するそうです。
コロナを機に、思わぬ広がりをみせるアシストスーツ。
見た目はもちろん、装着や脱着がもっと簡単になり、技術や機能が向上すれば、
メイド・イン・ジャパンのアシストスーツが世界中で活躍する日がくるかも知れません。
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