感染症に罹患された方、および関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
昨年の6月、地元岡山のローカル番組が「墓から見る現代社会」という切り口で特番を放送しました。
その番組の出来が良かったからでしょう。
3ヶ月後の9月22日にはNHKで少し編集されて
全国ネットでも放送されました。
番組で取り上げられていたのが継承者がいなくなった
“無縁墓”の現状について。
岡山市では、1986年度〜2002年度の16年間に無縁墓地の
整理事業として約2,500基のお墓を撤去したそうです。
岡山市で一番大きな墓地「東山墓地」の場合、
2014年度〜2017年度の3年間で400区画以上が返還されているそうです。
お墓じまいやお墓のお引越しなど、改葬と呼ばれるものは、
全国的にみると2017年度で10万4493件、10年前の1.4倍に
あたるそうです。
“無縁墓”の急増に危機感を抱いた岡山市は、10年以上
誰も訪れていないお墓は“無縁墓”として扱うという趣旨の
看板を打ち、除草等管理を促す警告を行っていますが、
これまで150ヶ所程度看板を立てたが連絡がきたケースは
1件も無いそうです。
お墓に来ない人に向けて看板を立てても、
なんだか空しいばかりですね。
人口の流動化とともにライフスタイルが変化し、
生まれ育った場所で死んでいく人が少なくなった現代。
また、お墓を建てたくても経済的な理由などで
断念する人もいます。
家族やご先祖様と向き合い、一族の絆を確かめ、
手を合わせることで自分の人生を振り返ることができる場でもあるお墓。
お墓がはたす役割が重要であることには変わりはありませんが、
人々はこれからの時代にあった新しいお墓のあり方を求めているのでしょう。
番組内であるお坊さんが下記のようにお話されていました。
「長い歴史を見ると、日本でも土葬から火葬に変わってきました」
「墓じまいによってお墓がなくなってしまうのではなく、改葬ですよね」ただ最後にこのようにお話されました。
「大きな供養の場所であり、小さい子どもたちには
情操教育の場所でもあり、大切な祈りの場所だと思うんです、
前向きに大切なものとして子どもたちに伝えてほしい」と。
多様化の時代に、供養のカタチに正解は無いのかも知れません。
どんなカタチであれ、安心してご先祖様との繋がり、絆を感じられる象徴となる物が必要ではないでしょうか。
コロナウィルスの惨禍で人混みを避けなければいけない今、
ゆっくりお墓に手を合わせながらこれからについて
じっくり考えるいい機会かも知れません。
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