【終活】「生涯現役」で社会や人々はどう変わる

長寿化が進む日本では、元気に100歳を迎える高齢者も珍しくなくなってきました。
日本人の平均寿命は年々伸びており最高記録の更新を続けています。

そんな中、政府は昨年末に社会保障改革案で「生涯現役で活躍できる社会」を掲げました。

今後は高齢者に就労機会を与えるよう企業に努力義務を課すとともに、
年金の受給を遅らせることでお得を取れる年金制度への改革を推し進めていく方針です。

今回は目前にせまってきた「生涯現役社会」の到来が、私たちや企業にどのような影響を
もたらすのか考えていきます。

■何歳まで働きたいですか?

人生100年時代といわれるいま、あなたは何歳くらいまで働きたいと考えていますか?

一昔前までは定年年齢である60歳や65歳と答える人が多かった印象ですが、
政府の調べでは60歳以上の多くのシニアが70歳以降も働きたいと考えていることが
分かりました。

「いきがいのため」「動いた方が健康に良い」など働きたいと考える理由は様々ですが、
働くことで得られるなにより大きなメリットは収入を得られることにあります。

年金の支給額はこれから減り続けていくでしょうし、
寿命が伸びたことで老後資金が今後どれだけ必要になるのか不透明な部分もあるので、
できるだけ長く働き収入を得ておきたいと考えるのは至極当然です。

また、年齢を基準に「高齢者」とひとくくりにするのは申し訳ないと思うほど
元気なシニアが増えています。

高齢者の体力や運動能力は、わずか10年ほどで約5歳も若返っているというデータが
政府の調査で示されました。

65歳を基準に高齢者とひとくくりにすることは現実に合わなくなってきているのです。

では、例えば70歳まで働くと、どのような老後プランが立てられるのか見ていきましょう。

60歳で一度定年退職したあと、70歳まで嘱託などの契約社員やフリーランスとして
起業し働きます。

そして70歳で退職し、その後5年間を個人型の確定拠出年金など
私的年金を取り崩して生活費をまかないます。

そのようにして公的年金の受け取りを75歳から始めると1ヶ月の年金金額は基準から84%も多くなり、安心した老後を送ることができるというイメージです。

■「生涯現役」実現のための、企業の努力義務

上記のように、高齢でも社会で活躍し安定した生活を送れる人を増やすためには
企業による70歳までの就業機会の提供が欠かせません。
しかし定年年齢が伸びていけば、若い世代の就労機会が減ってしまうのも事実です。

定年制度には強制的に給与の高い人材を減らし、
若い世代の就労や賃上げを促す効果もあるため企業として成長していくためには
欠かせない制度といっても過言ではありません。

しかし生涯現役社会を実現するために中途採用や継続雇用を推し進めたい政府。
今後従業員301人以上の企業に対して、
中途採用や経験者採用の比率を公にするよう義務付ける方針です。

公的な圧力をかけ企業への努力義務を課していきますが、
組織の新陳代謝を阻害しないための政策も同時に考える必要があるでしょう。

■今後は公的年金制度の見直しも

上記でも述べたように年金の受給開始年齢を引き上げることで、お得を取れる年金制度が整えられます。

現在60~70歳の間で自由に受給開始年齢を選べますが、今後はさらに幅を持たせ
最高75歳からの受け取りも選択できます。

受給を1ヶ月遅らせるごとに、将来受け取れる1ヶ月あたりの年金が0.7%増える仕組み
なので、75歳まで受給を引き伸ばすと受け取れる年金は84%増える計算になります。

どうでしょうか?
「そんな高齢になってまで働きたくない」という声も聞こえてきそうですが、
いまのシニアはどんどん若返っているというデータがあります。

働けるうちは元気に働いて活発的に生活し、
老後に備えて年金受給額を増やすというのも非常に魅力的で
メリットの大きいプランだと言えますね。

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終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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