【終活】デジタル遺品をどう残す?

大切な人を亡くしたあと、その人との思い出を取り出そうとスマホやパソコンに
アクセスしたけど生体認証や暗唱番号が立ちはだかって結局あきらめた…。

スマホやパソコンの普及で「デジタル遺品に詰まった大事な人との思い出を諦めなければならない」といった話をよく見聞きするようになりました。

遺族の立場に立つと、故人との大事な思い出をスマホやパソコンからできるだけ
取り出しておきたいでしょう。

しかしなんの準備もなく「その時」を迎えてしまった場合、あなたはそのデジタルデータに
アクセスされても大丈夫ですか?

今回はそんなデジタル遺品について考えていこうと思います。

■思い出だけでなくリスクも含む、故人データ

Aさん(25)は4年前に大学1年生の妹を心不全で突然亡くしました。

妹との思い出を集めたくてスマホやパソコンなどのデジタル遺品にアクセスしようと
しましたが、どちらにもパスワードがかかっていました。

パソコンについては誕生日などを組み合わせたものでなんとか解除に成功。
しかしスマホに関しては通信会社に「本人確認が必要」と断られてしまいました。

スマホの中には妹の友人が送ったSNSのメッセージが残っているはずなのですが
開くことは叶わず、データは引き出しの中でいまも眠ったままです。

このようにITサービスはそのほとんどが「一身専属」が原則で、権利が他人に移ることは
ありません。

例えばLINE。
こちらは「個人限りで安心してもらうために一身専属としている」といいます。
そのため本人がいなければたとえ遺族であっても中身の確認や操作をするすべは
ほとんどありません。

そしてツイッター。
最近データ保護法制などへの対応を目的に休眠アカウントの削除の方針を示しました。
一定期間ログインがないアカウントを削除すると警告を出したのです。
しかし、「亡くなった著名人や友人の過去のつぶやきが見られなくなる」と
世界中から大反発を受けたため、こちらの方針は短期間で一時撤回となりました。

実行に移せなかったものもありますが、どちらも故人のデータを守ろうとする方針が
見て取れます。
本人の死後も故人の意思とは関係なく残り続けるデータは、良い影響だけではなく
トラブルを引き起こすことも多々ある
からです。

写真やSNSなどから不倫が発覚し、遺族と愛人の間で慰謝料を巡るトラブルが起きたり、
アカウントを乗っ取られて友人が詐欺にあったりする被害も出ています。

しかし実際には死後のデータの取り扱いに備えている人は少ないのではないでしょうか?
残されたデータには自分の知られたくない情報だけでなく、
遺族をトラブルに巻き込んでしまう情報も含まれている可能性が大いにあるのです。

■世界では生者前提のITルールに変化

日本では生前の個人データに関しては個人情報保護法やプライバシー権の対象に
なっていますが、死後のデータに関しては明確なルールがありません。

一部規定があるものの、それは刑法や公文書開示のルールで遺族の感情や情報を守る、
つまり生者を守ることを目的としたものです。
そこには故人の意思に配慮されたものがあまりありません。

相続と違い金銭価値が低く、遺族から捨ておかれることが多いため対応が進み辛いのが
原因でしょう。
しかしそのような現状を見直す動きがあります。

米フェイスブックは生前の本人の意思で「追悼アカウント」として
アカウントの保存や削除が選べます。
追悼アカウント管理人を指名してその後のアカウントの管理を任せるか、
フェイスブックからのアカウント完全削除を選ぶことができるのです。

同じく米グーグルも亡くなったことが分かった時点で本人が指定した相手に通知し、
データの保存や削除ができるサービスを提供しています。

また、フランスでは16年に公布された「デジタル共和国法」で、
個人に死後のデータに関する方針を定める権利を認めました。
それにより、一部事業者は死後のデータの扱いを本人に通知する責任を課されています。

このように世界では死後の故人データ取り扱いに、大きな変化が生まれています。
しかし日本ではこのテーマに関する議論が乏しい上に、
明確なルールはないといっても過言ではない状況なのです。

■故人データを守る備えを

終活ブームで緩和されたとはいえ、まだまだ日本では自分の死後に関する話をすることに
抵抗を感じる人が少なくありません。

しかし残される人の為、そして自分のプライベートなデータを自分の死後も守り続ける
ために、故人データの取り扱いについてしっかり考えていかなければなりません。

「リガーズサービス」は死後、大切な方へ贈るラストメッセージサービスを行っています。
プライベートな情報は消したいけど最後の言葉を贈りたいといったご希望に答えることができます。
その他にデジタルで制作するエンディングノートを活用して、スマホやパソコンのパスワードを遺族に伝えておくこともできます。

伝えたい方のみに残しておくことができる「リガーズサービス」なら
故人データの取り扱いに悩むことはありません。

現在60代のシニア層でも68%もの利用率となっているスマホ。
データ社会で生きる私たちにとって、相続やお墓と同じようにデータに関しても
死に関する備えが必要な時代なのです。

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終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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