【終活】認知症の人の意思決定支援

認知症を発症すると、認知能力や判断力が低下し意思決定能力が低くなると思われがちです。

しかし周りの人が汲み取る努力をすることで、認知症であっても本人の意思を大切にすることができます。

平均寿命の伸びと平行して、認知症を患う人が年々増えていく中での今回の政府の指針発表は、現段階での当事者だけでなく、これから人生100年時代を生き抜いていく私たちにとっても深く関わってきます。

今回は他人事ではなくなりつつある「認知症患者の意思決定の重要性」について考えていこうと思います。

■認知症の人の意思決定の重要性

厚生労働省は「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定を支援するための指針」をとりまとめ、言葉でのやりとりが困難で意思表示が難しい場合でも、身ぶりや表情でその意思を読み取る努力を最大限行うよう全国の介護施設や医療機関に要請しました。

指針では日常生活や社会生活を送る中で意思表示が難しいと思われがちな認知症の人でも、意思決定をしながら尊厳を持って暮らすことの大切さを周囲が認識しなければならないと強調しています。

本人の健康などに重要な影響がでるような決定事項を除き、本人の意思は尊重されるべきであると示したのです。

そのため家族や行政職員、そして日常生活で関わる支援者には、患者本人の能力に合わせて内容が理解できるような説明が必要になってきます。
たとえ言葉による意思表示は難しくても、身ぶりや手ぶりで本人の意思を汲み取る努力が重要であるとしているのです。

この説明ではなかなかハードルが高い要請をされているように感じますが、それほどまでに「認知症の人の意思が重要になってくる場面が多い」とも言い換えることができます。

例えば有料老人ホームへの入所や、資産の売却など、本人の意思抜きではなかなか決定しづらい事柄は思いの外多いのです。

本人の正確な意思が聞けるのなら周囲の人もスムーズにサポートできますし、後になって後味の悪い思いをしなくても済む事案もあるでしょう。

このように、今後の生活の見通しや財産管理などについて本人を含め関係者が議論して方針を決めておくなど、先を見越した意思決定の支援を継続的に行っていくことが重要であると専門家は訴えています。

■認知症の人の意思決定支援のポイント

それでは実際にどのようなことに気を付けて、意思決定をサポートしていけば良いのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。

■認知症になっても自分らしく生きていくために

2012年に462万人だった認知症患者は30年に830万人に増えるとの推計があります。

年齢が高くなるほど発症の確率が上がる認知症は、人生100年時代を生きていく私たちにとって決して他人事ではなく、家族はもちろん自分自身も発症してしまう可能性を十分理解しておく必要があります。

もしも発症してしまった場合、私たちが自分らしく、そしてよりよく生きていくためにはどうすればいいのか。

その環境づくりは、早く整えておくに越したことはなさそうです。

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