【終活】軽度から認知症ケア①

みなさんは「認知症リンクワーカー」をご存知でしょうか?
「認知症リンクワーカー」とは初期から軽度の認知症の人を医療から生活まで総合的に支援する制度です。
現在日本国内で認知症にかかっている方は推計で約500万人。
2025年には高齢者の5人に1人が認知症にかかると言われています。
さらに認知症になる可能性がある軽度認知障害も2012年時点で約400万人と推計され
公的サービスを使っていない高齢者に認知症の人がいると見られています。
今日はそんな認知症問題の助けとなる制度「認知症リンクワーカー」についてお話したいと思います。

■認知症リンクワーカーの役割

「認知症リンクワーカー」はスコットランドで始まった認知症の早期サポート制度です。
認知症と診断された初期から軽度の人とその家族を訪問し
・認知症に関する情報提供
・日常生活で必要なサービスや施策へのつなぎ
・認知症カフェを進めるなど孤立しないための関係作り
・ケアマネージャー、かかりつけ医などへの引き継ぎ
など、認知症患者本人や家族を精神的、生活面で支えます。

京都府は2016年からこの制度を立ち上げ養成する研修を開いています。
「認知症リンクワーカー」は研修を受けた保健師や養護師で構成され、病気と向き合うための精神的な支援から、買い物支援など日常生活で必要なサービスにつなぐことまで総合的に、患者本人と家族に「切れ目なく」支援することを目標としています。

■住民と広げる支援の輪

北九州市でも2016年4月自治体だけではなく、地元の医師会や市民団体など6者と連携し、ワンストップ拠点「認知症支援介護予防センター」を設けました。
同センターには歯科衛生士や栄養士、作業療法士などの専門職団体や企業、市民団体など約50団体が「応援団」として登録。認知症の人に向けた出張講座を行う際リハビリや栄養指導師を派遣してもらうといった協力を求めながら地元全体で支援の輪を広げて行っています。
さらに、東京都は認知症予防の体操などをする場を増やすため、2017年度から「介護予防による地域づくり推進委員」の制度を始めました。
都は住民の中から介護予防の活動をするリーダーを養成し、リーダーや民生委員・自治体で高齢者の集まる「通いの場」を設けるサポートをしています。
住民の主体性を促すことで自治体の予算の制約に縛られず活動ができることから、持続すると期待されています。
厚生労働省も認知症の疑いのある段階で早期発見し、症状の進行を遅らせ施設に入らず在宅で療養できる施策を進めています。
2014年度から医師や看護師、福祉職など多職種で構成する「認知症初期集中支援チーム」の普及に取り組み2017年3月時点で703市町村が設置済みです。
こうした動きの中で問題となってくるのが「支援が必要と思われる人の情報を、地域の民生委員や住民などからいかに集めることができるか」という点です。
地域で支え合っていく中でやはり必要となってくるのが日常の会話だと思います。
日頃からのお付き合いの中で信頼関係を深め、こうした団体に入っていなくても情報を提供したりするだけでサポートができるかもしれません。

■終活でできる予防

ここ数年認知症の研究はどんどん進歩し、ある段階までの認知症は予防ができるとわかってきました。
今回オススメするのは「回想法」です。
「回想法」とは、昔の写真や品物を見て古い記憶を呼び覚まし誰かと語り合うことで、人との交流を図るものです。
「回想法」の良いところは誰もが主役になれることです。普段は介助や介護をされる立場の高齢者が昔のことを「人に教える立場」になるため自信が持てるのも良い点です。
リガーズサービスには「なごリスト」というサービスがあります。「なごリスト」「なごリスト」がお送りしたQRコードシールをお墓や仏壇に設置しスマートフォンやタブレットで読み取るとそこに眠っているご先祖様の写真を見ることができるサービスです。

このサービスは、事前に思い出の写真を登録し写真に対するエピソードを入力することができます。写真を登録する際にたくさんの思い出を振り返れる他、お墓やお仏壇に設置することで、ご先祖様の顔を知らない小さなお孫さんに、家族のルーツを教えてあげることもできます。
昔話をしたり昔の品物を見たりすると脳の血流が増えることが確認されており、さらに3ヶ月続けると能動的な活動につながることもわかってきています。
「なごリスト」を利用してご自身でできる認知症予防をしてみませんか?
予防と力を入れることなく、家族とのコミュニケーションを増やすきっかけとしてもご利用いただけます。

さて、今回は「認知症リンクワーカー」をはじめ、各自治体や住民による、軽度の認知症の方のサポートについてお話させていただきました。次回は、若年性認知症についてお話したいと思います。

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エンディングノートや遺言をつくることだけが終活ではありません。
終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

 

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