最近、近くのセブンイレブンで、高齢の男性が働いているのを目にしました。
男性は他の従業員の方に助けられながらも、てきぱきと仕事をこなしていました。
この「セブン-イレブン・ジャパン」では、積極的に高齢者の雇用を増やしているそうです。
こうした高齢者を雇用する企業が今増加しつつあります。
その背景には、高齢者の長寿化や元気なシニアが増えていること、そして長く働きたい高齢者が多いことが挙げられます。
今回は、そんな高齢者を積極的に雇用する企業と、それによる高齢者へのメリットをお話します。
働く意欲のある高齢者。雇用する企業
内閣府が発表した「平成28年版高齢社会白書」全産業の雇用者数の推移によると、高齢者の雇用者数が右肩上がりになっており、平成27年の時点で60~64歳の雇用者が438万人。
65歳以上の雇用者は458万と、初めて65歳以上が60~64歳を上回りました。
65歳以上人口に占める65歳以上の雇用者数の割合も年々上昇傾向にあります。
この結果を見ても分かるように、65歳以上になっても、働く高齢者が多いということです。
では、なぜ65歳を過ぎても働く高齢者は増えているのでしょうか。
これには、高齢者の生活環境の変化、そして意識の変化が理由に挙げられています。
以前の記事「【終活】いくつになったら高齢者?」でも話題に取り上げた、40歳以上の男女1600名に行ったアンケートでは「働けるうちはいつまでも働きたい」と考えている人が多いことが分かりました。
このように高齢者の働く意欲が高くなっていることと、年金支給年齢が上がったことも働く高齢者が増える理由の一つとなっています。
60歳で定年退職をしても、年金がもらえるのは65歳から…。
退職金だけでは心もとないと考え、年金が支給されるまでは働きたいと考えている高齢者が多いのです。
しかし、定年を延長している企業はそう多くありません。
定年後も収入を得るには、新しい企業への就職が必要な場合があるのです。
そんな中、積極的に高齢者を雇用する企業が少しずつ増加しています。
東京都新宿区にある「モスバーガー」の店舗では、働いている従業員8人のうち半数が60歳以上の高齢者です。
この店舗のパート従業員である72歳の女性は、「年金と給料で生活にゆとりができる。体力が続く限り働きたい」と、午前10時~午後6時の間で週3日働いています。
運営する「モスフードサービス」は、パートの雇用に年齢上限を設けておらず、「大学生を採用しづらい時間帯で経験豊富な高齢者は欠かせない」と高齢者雇用に積極的な意欲を見せています。
また、冒頭でも述べましたコンビニエンスストア、「セブン-イレブン・ジャパン」では、全国の加盟店で働く65歳以上の高齢者が1万2,000人にものぼります。
これには自治体との連携が背景にあります。
現在、自治体は高齢者の自宅を訪問する見守り活動が不十分な状態です。
その代わりにセブン-イレブンのコンビニ店員が、高齢者宅へ弁当などを配達することで自治体の活動を補っています。
これにより、自治体は住民サービスを高められるようになりました。
それに対し、自治体は高齢者の働き口としてセブン-イレブンと協力し、高齢者の雇用を増やし、コンビニの慢性的な人手不足を解消しています。
こうした自治体との連携が行われているのです。
このようにまだまだ少数ですが、高齢者を雇用する企業は徐々に増えてきているのです。
高齢者・雇用する会社へのメリットは…
今回は、高齢者を雇用する企業が増えてきている事例をご紹介しましたが、そもそも何故企業は高齢者を雇用しようと考えているのでしょうか。
少子高齢化により人手不足という理由もありますが、実は高齢者を雇用することで、企業にも高齢者にも大きなメリットがあります。
次回は、その高齢者側・企業側へのメリットについてご説明します。
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