【終活】いざという時に困らないために知っておく相続手続き

皆さんは相続手続きの手順はご存知でしょうか。
いきなり相続と言われても、何からすればいいか分からない人が多いと思います。
実はこの相続手続き、細かくタイムスケジュールが決まっているだけでなく、
中には期限を過ぎてしまうと取り返しがつかなくなる手続きもあるのです。
終活を行う上で、相続手続きも重要です。
いざという時に慌てず対応できるよう、相続手続きの手順をご紹介します。

後回しにはできない相続手続き

まずは図で手続きの流れを見てみましょう。

相続手続きは相続人が亡くなってから1週間以内から始まります。
そこから10ヶ月の間で9つの手続きを行わなければなりません。
その手順のひとつひとつを見ていきます。

1.被相続人が亡くなったら死亡届を提出しましょう。
被相続人の死亡から手続きは開始されます。
人が亡くなった場合、死亡届を役所に提出しなければなりませんが、
これが7日間以内と定められています。
届出を出す役場は亡くなった方の本籍地、死亡地、
届出をする方の所在地を管轄するいずれかの市区町村役場になります。
その死亡届を出す際には「死亡診断書」か、「死体検案書」が必要になります。
死亡診断書は病院で亡くなった場合に医師が作成します。
死体検案書は病院以外の場合に、死亡を確認された後に作成され、
これらが役場に受理されると「死体埋火葬許可証」を貰うことができます。
この許可証がなければお葬式を挙げることができないとされているのです。

2.遺言書の確認をしましょう。
遺言書が有るかどうか、亡くなった人が住んでいた家をよく探してみましょう。
遺言書には種類があり、自筆証書遺言、公正証書遺言や秘密証書遺言というものがあります。
どれも最新の日付が書かれているものが有効となり、
自筆証書遺言の場合は家庭裁判所にて「検認手続き」が必要になります。
また遺言書を探す時に、
社会保険や生命保険といった保険関係、年金関係も確認し、
どちらも電話で問い合わせるか窓口を尋ねるかして、
被相続人が亡くなったことを伝え、今後の手続きをどうするべきかを確認しましょう。

3.法定相続人を確認しましょう。
もし遺言書が見つからなかった場合や、遺言書に相続財産の行方が一部しか書かれていなかった場合、
残った相続財産は遺産分割協議にて誰に分けるかを決めなければなりません。
その遺産分割協議には全ての相続人が参加し、そこで相続人を確定します。
誰が相続人になるのかをしっかり戸籍謄本で確認し、調査を行ってください。
きちんとした調査をしなければ遺産分割協議も無効になってしまうので注意が必要です。
相続人調査は必ず行いましょう。

4.相続財産の内容や総額を確認しましょう。
相続では借金も相続の対象になるので、
確認せず相続してしまうとその負担を自分が被ることになってしまいます。
そうならないためにも相続の内容をきちんと確認しましょう。
この相続の内容を確認する作業は、上記3つの作業と同時進行で行うと良いでしょう。
なぜなら、この後で説明する相続放棄・限定承認が、
自分に相続があることを知った日から3ヶ月以内で行わなければならないからです。
ひとつひとつ確認していたら間に合わなくなってしまうので、同時に進めて行きましょう。

5.遺産を相続するか、否かを決めましょう。
もし相続財産が調査の末、借金などのマイナスの財産ばかりだった場合、
前にも記述したように、自分に相続があることを知った日から3ヶ月以内であれば、
相続放棄・限定承認という手続きをすることができます。

相続放棄とは、文字通り相続自体を放棄する手続きのことを言います。
しかし、相続放棄したことにより相続順位が変わる場合、
次に相続人なる人に事前に連絡をしておきましょう。
勝手に相続放棄され、次の相続人の人がいきなり借金を相続することになったと誤解されかねないので、
できるだけ事前に伝えておきましょう。

次に限定承認とは、
相続を受けた人がプラス財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐという手続きを言います。
もしプラスの財産が100万円あり、マイナスの財産が50万円あるとすると、
余った50万円を相続できるというものです。
こちらは3ヶ月以内に財産の内容を全て確認できない場合に有効な手続きになりますが、
相続人全員の同意がなければできないので、注意しましょう。

6.被相続人の所得税を申告しましょう。
これを準確定申告と言います。
準確定申告は、亡くなった人が確定申告を行っていた方の場合に必要になる手続きです。
亡くなった時点で申告するべき所得税がある場合は、
4ヶ月以内に準確定申告を行わなければならないので注意しましょう。

7.遺産を分割しましょう。
遺言書が有る場合はその内容に従いますが、無い場合は遺産分割協議をしなければなりません。
3で記述したように、遺産分割協議は相続人全員参加となり、
相続人調査を行ったあと必ず行うようにしましょう。
遺産分割協議は特にルールが決まっていないので、
相続人全員が同意する内容であればどんな方法で行っても構わないとされています。
もし揉めてしまった場合は、専門家に介入してもらったほうが良いでしょう。
無事に遺産分割協議がまとまったら、「遺産分割協議書」を作成しましょう。
誰がどの財産をどれだけ相続したのか等、
協議に参加していない第三者が見ても分かるようにしていれば、
後の手続きやトラブルの防止に繋がります。

8.相続財産の名義変更などの手続きをしましょう。
財産が現金であれば分割するだけですが、預金口座だったり不動産だったりした場合、
解約や名義変更の手続きが必要です。
その時にどういった内容で遺産分割協議が終了したのかを知るために、
遺産分割協議書の提出を求められるので、
間違いのない遺産分割協議書を作っておきましょう。
また、不動産を相続した場合に行われる相続登記を後回しにしていると、
次の世代の相続が発生し当事者が増えてしまいます。
その当事者が増えればそれだけ手続きが複雑になりますし、
売却も自由にできなくなります。
なので、なるべく早めに行いましょう。
この相続登記の問題は以前のコラムでも紹介しているので、よければ合わせてご覧ください。
【相続登記を放置…その代償は?】

9.相続税の申告と納付をしましょう。
相続には「相続税」という税金が課せられていて、
ほとんどの方には発生しない税金なのですが、相続財産が多いと納めなければなりません。
この申告期限が10ヶ月以内と決められています。
相続税を納めなければならないのに申告をしないままでいると、
「無申告加算税」と言う通常の税率よりも加算された税金を支払わなければならないことになります。
また、相続税には控除がありますが、
基礎控除以外の特例などによる減税により相続税が0円になる場合も
相続税申告が必要になるので、注意しましょう。

以上、相続についての9つの手順をご紹介しました。

相続手続きはお早めに

どれも細かいスケジュールが設定されていますが、手続き自体はそこまで多くありません。
ですので、冷静になって手続きを行えば十分にお一人でも進めることができます。
しかし、大切な方が亡くなった後では冷静に手続きが進めることができない場合もあると思いますので、
不安な方は早い段階で専門家に相談し、
手続きのサポートやタイムスケジュールを管理してもらうと良いでしょう。

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