【終活】通夜も告別式も必要ない?シンプルになりつつある葬儀。

前回、お墓を自分たちの近くに引っ越す「改葬」を紹介しましたが、
人間関係が希薄になっている現代では、葬儀をせずに火葬だけをする「直葬」や、
誰の立会もないまま火葬していく「無葬」も増加傾向にあります。
今や、昔から当たり前に行われていた葬儀が変わりつつあるのです。
終活に取り組むうえで、葬儀を考えることは重大なポイントです。
今回は葬儀の実態を見て行きましょう。

家族や親しい人たちにひっそりと送られる直葬

まずは直葬に焦点を当てて見て行きます。
直葬とは、
通夜・告別式を執り行わず、家族や親しい友人など親しい関係者のみが出席し、
火葬のみを執り行う葬儀
のことを指します。
冠婚葬祭総合研究所で行った調査によると、
この直葬を希望している世代は主に「団塊世代」の人々であることが分かりました。
理由としては経済的理由もありますが、
親の葬式を経験し、喪主などを務めることにより葬儀の大変さを理解していることで、
自分の子供に同じような負担や手間をかけさせたくない
というのも理由の一つとして挙げられています。

また、直葬の流れと一般的な流れの違いを見て行きます。

一般的な葬儀では、1日目に通夜、2日目に告別式と火葬を大勢の参列者を招いて行いますが、
直葬はご遺体を安置してから出棺、火葬場へ移動し火葬を行い、
火葬炉の前で僧侶にお経をあげてもらいお別れをします。
なので、通夜式と告別式がないシンプルな葬儀になります。
また法律により、ご遺体は死後24時間以内は火葬をしてはいけないと定められているため、
直葬であっても安置は必要です。
葬儀場に火葬するまでご遺体をどのように預かってもらえるかを確認しておきましょう。

次に、直葬を行うにあたってかかる費用をみていきます。
一般的な葬儀費用の平均が121万円(※2017年日本消費者協会葬儀についてのアンケート調査より)であるのに対して、
直葬は20~30万円前後で行うことができます。
普通の葬儀に比べ、費用を大幅に抑えることができるのです。
葬儀社の中には「10万円で直葬を行える」と宣伝しているところもありますが、
その中には必要な物品やサービスが含まれていないため、追加料金が発生することになります。
それを防ぐためにも、直葬にどんな物品やサービスが必要なのか確認しておく必要があります。

・搬送2回分(病院から安置所、安置所から火葬場)
・安置施設使用量(3日分)
・ドライアイス(3日分)
・棺、骨壺、お別れ用の花畑などの物品一式
・火葬料金
・運営スタッフ
・火葬手続き代行

以上が直葬に必要な物品、サービス一覧になります。
葬儀を検討されている方は、このリストを参考にして見積もりの内容を確認してみてください。

見送る人がいないまま火葬される無葬

葬儀の中には直葬に近いスタイルとして、「無葬」というものもあります。
こちらは通夜も告別式も行わず、さらには遺族の立会もなく火葬される葬儀です。
この無葬も近年注目されているのです。

注目されている理由としては3つ挙げられています。
一つ目は、費用が大幅に抑えられる所です。
通夜、火葬の際の待ち時間などの飲食代などがかからないため、
一般葬と比べてかなり費用が抑えられます。
亡くなる方が無葬や直葬を希望するのは、こういった金銭面が大きな理由だと思われます。
二つ目は、葬儀の時間が短くなる所です。
親族が遠方にいる場合、一般葬だと通夜から火葬まで2日はかかってしまいます。
しかし無葬や直葬なら、火葬のみ行う形になるので1日で葬儀を終えることができるのです。
三つ目は、香典返しや訪問者の対応をしなくて済む所です。
死後はただでさえ心労の中、多くの訪問者の対応や葬儀が終わった後の香典返しなどには、
意外にも精神的負担が大きいものです。
無葬や直葬なら、そういったことをしなくても良いので、葬儀前後に慌ただしくせずにすみます。

また、この現代社会の背景も無葬の増加に大きく関わっています。
核家族化が進行し、親子・親戚、またご近所などの人間関係が希薄になっているため、
大々的に行う一般的な葬儀ではなく、
葬儀の参列者を減らす、また葬儀自体を行わないことを希望する人が多いようです。
そして葬儀を執り行う人がいない未婚の高齢者、子供がいない夫婦が故人の場合、
無葬など簡略化された葬儀を希望する人も増えています。

無葬を行う際の注意点としては、
周りから「しっかりとしたお別れができない」「故人への冒涜だ」と無葬への反感を買う恐れがあるので、事前に無葬を選んだ理由を故人または遺族が伝えておく方が、
後々周囲への付き合いにも支障をきたしませんし、誤解を与えずに済みます。
また、後日亡くなったことを聞きつけた人が弔問に来られる可能性もあります。
その時に大変な思いをしないよう、弔問を遠慮する旨も伝えておくと良いでしょう。

葬儀の仕方は人それぞれ

「通夜や告別式がない葬儀なんてありえない」「非常識だ」と思われる方も多いと思います。
しかし、葬儀の捉え方は人それぞれ違い、遺族が後悔しない葬儀方法は千差万別なのです。
遺族が大切な人の死を受け入れ、気持ちの整理がついて前を向くことができるのであれば、
それはどんな形でも立派な葬儀になります。
将来自分の葬儀をどう行うかを考えることも終活の一つです。
一般常識や理屈に囚われず、自分と家族が納得できる葬儀を決めるようにしましょう。
とにもかくにも葬儀に関しては、
亡くなったご本人の意思が尊重されるべきではないでしょうか。
リガーズサービスのうたかたよりなら、
亡くなった後にメッセージを伝えることができます。
メッセージの中でなぜ直葬や無葬を選んだのかを伝えることによって、
家族の負担を軽減することができます。

 


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