【終活】特別な病気ではなくなってきた認知症

様々な要因で認知機能がうまく機能しなくなり、生活に支障をきたしてしまう認知症。

団塊世代が75歳以上になる2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると言われており、高齢化が急速に進んでいく日本では、
認知症は特別な病気ではなくなってきています。

一度発症してしまうと根本的な治療が難しいとされている認知症ですが、
早期の段階で適切な処置をすれば、進行を食い止め、予防できる可能性があることが分かってきました。

そこで今回は、「もしや…」のサインを見逃さないためのポイントや予防方法を紹介していきます。

認知症と物忘れの違い

日常生活の中で誰でも、「あれ?なんだったっけ?」と感じることはあると思います。

終活世代ともなれば、「知人の名前が思い出せない」「財布をどこに置いたか分からない」など、
ふと不安になることも増えます。
しかし大半のもの忘れは、脳の老化による自然なもので年相応の症状といえます。

例えば「お昼のメニューが思い出せない」などは、食べたこと自体は覚えていて、自分が忘れていることに自覚があります。
それに対して認知症のもの忘れは、食べたこと自体を忘れてしまいます。

体験の一部を忘れてしまう正常な物忘れと違い、認知症の物忘れは体験そのものが丸ごと抜け落ちてしまうので、
忘れたことに対する自覚がなくなり「まだ食べていない」「食べさせてもらえない」と考えるようになっていきます。

そしてこのような物忘れが多くなっていくと、日常生活に支障をきたしてしまいます。

 

老化による忘れ方と認知症による忘れ方の違い

場面 老化による忘れ方 認知症による忘れ方
道で知り合いに会う 知り合いの名前を思い出せない 知り合いであることを忘れている
朝食をとる 何を食べたかを思い出せない 食べたこと自体を忘れている
手慣れた料理を作る 調味料を一つ入れ忘れる 料理の手順そのものを忘れている
広い駐車場に車を止める 止めた場所を忘れる 車を止めたことを忘れている
電話がかかってくる 電話で聞いた内容を忘れる 電話があったことを忘れる
買い物に行く 何かを買い忘れる 何を買うつもりだったか忘れる
人と待ち合わせる 約束した場所や時間を忘れる 約束したことを忘れる
財布を引き出しにしまう どこにしまったか忘れる しまったことを忘れる

出典:gooヘルスケア

 

認知症の約9割を占める3大認知症

一口に認知症といっても、発症する原因や症状によっていろんな種類があります。

日本では「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」が3大認知症としてあげられ、高齢者の認知症の約9割を占めています。
中でも最も多いのがアルツハイマー型認知症で、残念ながら根本的な治療法がありません。

しかし治療可能な認知症もあるので、それぞれの特徴や症状、対応方法をみてみましょう。

認知症を防ぐためには

一度発症すると治療が難しい認知症。
だからこそ積極的に心がけていきたいのが、認知症の予防です。

残念ながら「こうすれば認知症にはならない」といった方法は現時点ではありません。
しかし、最近の研究で少しずつ予防の可能性が見えてきました。

特に大切なのは食習慣や生活環境を整えることだと言われています。
なぜなら生活習慣病の代表である高血圧と糖尿病が、認知症の大半を占めるアルツハイマー型認知症の危険因子にもなっていることが分かったからです。

福岡県久山町での長期間の追跡調査では、糖尿病のある60歳以上の高齢者は認知症になるリスクがそうでない人の1.7倍高かったという調査結果があります。

また生活の仕方も重要なポイントです。
身体活動が活発な人や、人と積極的に関わる人ほど認知症を発症しにくいことが分かっています。
家に閉じこもると関心事も減ってしまい、認知症発症リスクも上がってしまうでしょう。

さらに最近の研究で、十分な睡眠をとることも認知症の予防に繋がると発表されました。
脳が活動したときに生まれる脳の老廃物に「βアミロイド」という物質がありますが、この物質の蓄積がアルツハイマー型認知症の原因と考えられています。

その為、いかにこの物質を排出するかが鍵になりますが、実は眠ることでβアミロイドを洗い流す能力が高まることが分かりました。

つまり睡眠は脳にとって大事なクリーニングタイム。
6~8時間を目安に規則正しい睡眠をとるように心がけ、認知症発症リスクを下げていきましょう。

気になり始めたらチェックしてみましょう

かつては痴呆症ともいわれ、恥ずかしい病気であるとの誤った認識のために早期発見治療が遅れることが多かった認知症。
しかし発症してからの対策が少ない認知症だからこそ、早期発見がとても大切です。

自分や家族の様子に「あれ?」と感じることはありませんか?
まずはセルフチェックで認知症のサインを見逃さないようにしましょう。

 

大切なのは早期発見と予防

認知症は予備軍も含めると高齢者の4人に1人と言われ、決して他人事で済ませることができない病気になっています。

しかし、早期に発見できれば進行を遅らせたり、重症化を防いだりすることも可能です。
家族はもちろん本人も、将来のことをゆっくり考えそれに備える時間的余裕をつくることができます。
認知症かもしれないと思ったら、医療機関を受診するなどの対処を早めに始めることが大切なのです。

また、生活習慣病の管理が認知症予防にも繋がることから、
早くから認知症を意識した生活を送るのも効果的な予防方法でしょう。

アルツハイマー型認知症は「生活習慣病の終着駅」という表現をされることがあります。
まだまだ健康な30代、40代の時期から生活習慣病を予防するような規則正しい生活ができれば、
自然と将来の認知症リスクを下げることにもなるでしょう。
そうです。認知症対策も、終活の一環のひとつです。
充実した終活ライフのためにも、早期発見と予防が大切です。

 


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終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、
次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
リガーズサービスのコラムが、あなたの充実した終活のお役に立てれば幸いです。

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