1割自己負担で介護サービスが利用できる介護保険。
社会全体で介護が必要な人を支えようというこの制度ですが、
利用者の要望すべてに応えられるわけではありません。
そこで政府は全額自己負担の生活支援サービスの普及に力を入れ、
多様化する利用者のニーズに対応しようとしています。
費用はかかりますが、介護の質を向上させてくれる保険外サービスについて知っておくことは、
今後の終活に役立つことでしょう。
「いきがい」をあきらめないために
寝たきりで介護が必要な家族がいる場合、
要介護者を連れての家族旅行はあきらめざるを得ない…という人は多いと思います。
「旅行」や「おでかけ」などの外出支援に介護保険は使えないからです。
しかし、介護保険ではカバーできない部分を補う介護保険外サービスなら、
その希望に応えることができます。
年に数回、寝たきりの妻を連れて温泉旅行にでかけるAさんは、
全額自己負担になりますが介護技術と旅行知識を学んだ、
トラベルヘルパーに同行してもらうサービスを利用しています。
介護保険と違いすべて自分で費用を賄うため、
入浴の介助に2人のヘルパーが必要なAさんの妻の場合、
関東の温泉地に3泊4日の旅をすると費用は総額で60万~90万円と高額になってしまいます。
しかし、要介護でも手厚いサポートのもと安心して楽しめる家族旅行は、
夫婦の最高の気分転換になっているようで、
お二人の大切な終活の一環と言えるのではないでしょうか。
自分らしい暮らしをサポート
入院している高齢者の一時帰宅の際に看護師を付き合わせるサービスもあります。
介護保険にも看護師が要介護者宅を訪問するサービスがありますが、
入院中の人は使えません。
一方で、入院中の高齢者は家に帰って「家族と食事がしたい」
「ペットの世話をしたい」といった希望を持つ人も多いです。
保険外サービスは全額自己負担にはなりますが、
そのようなニーズにも柔軟に対応できる幅広いサービスなのです。
介護が必要な人はどのくらい?
政府の財政で運営されている介護保険はもちろんですが、
自己負担で様々なサービスを提供してくれる保険外サービスも、
今後の長寿社会の日本には欠かせないシステムになりそうです。
では、高齢になり日常生活で見守りや手助けが必要な人は、どのくらいいるのでしょう。
日本人の平均寿命は年々伸びてきていますが、
健康に日常生活を送れる期間である健康寿命は、
平均寿命の伸びに追いついていないのが現状です。
要介護者の発生率は、40~64歳では0.3%、65~69歳では2.9%ですが、
加齢とともに上がっていき、
80~84歳では28.4%,、85歳以上では59.1%となっています。
80歳を超えると約3人に1人、
85歳以上では約2人に1人は介護が必要という計算になります。
団塊の世代が75歳以上になる2025年には、日本国内の人口で5人に1人が後期高齢者になるとされていますが、
要介護者が今後さらに増加していくことは必至です。
明るく充実した終活ライフを実現するためにも、
健康寿命を伸ばすことがこれからの大きな課題です。
内容や料金の確認が必要
保険の財源を支える若い世代が減少していくなか、
1割負担の介護保険だけで高齢者が安心して介護生活を送れるかというと、
不安を感じてしまいます。
そこで政府内には、介護保険サービスを受けながら、
希望により高品質な保険外サービスを合わせて受けることができる、
「混合介護」を進める考え方があります。
しかし、現状では介護保険のサービスと保険外のサービスが明確に区切られていないため、
料金トラブルが発生しかねません。
混合介護も含め、便利に生活したり、暮らしの質を向上させたりできる保険外サービスは、
今後身近になりそうですが、利用者やその家族は内容や料金について、
十分納得のうえ利用することが欠かせないようです。
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何かを決めるということは大変な作業ですが、
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