人生100年時代といわれる現代ですが、こんな疑問をもったことありませんか?
「人は何歳まで生きられるのか?」。
衛生環境や食料事情、医療の質も日々よくなり平均寿命はどんどん伸びていますが、どのような要因が寿命を決めているのか、定かなことは実はまだ分かっていません。
「人間は120歳まで生きられる」なんて話を耳にしたりもしますが、本当なのでしょうか?
近年、その謎を解き明かす研究が盛んになっています。
■世界記録は122歳
老化に関する専門家が推測した寿命限界は、115歳と考えられています。
一説には120歳まで生きられるという話もありましたが、最新の研究によると実際にはそれより5歳ほど短いようです。
2018年の時点で国内の最高齢記録は、男性で113歳、女性で115歳となっていますが、世界ではどうなっているでしょう?
世界で一番長く生きたのはフランスで生まれた女性、ジャンヌ・カルマンさん。
1997年に122歳で亡くなったカルマンさんの記録は、公的な記録で確認できる長生きの世界記録となっており、120歳を超えた唯一の例です。
このように120歳を超える人がほとんどいないことから、最近の研究から導かれた「寿命限界115歳」という説は、おおむね妥当な数字といえるでしょう。
■寿命を決める要因は何?
厚生労働省によると日本人の平均寿命は2017年時点で、男性は81.09歳、女性は87.26歳となっています。
寿命限界とされる115歳より約30年も短くなっていますね。
科学者たちはそこに長寿を実現する、特別な理由があるのではないかと睨んでいます。
最近「長寿遺伝子」という言葉を聞くことがありませんか?
その遺伝子を「サーチュイン」と呼びますが、この遺伝子こそが生物の寿命を決定している鍵されています。
人の体は休むことなく細胞分裂を繰り返していますが、細胞が分裂するときDNAは同じ情報をコピーして複製を作っています。
しかしそのとき、わずかですが傷がついてしまうこともあるのです。
それを防ぐために動くのがサーチュインで、この遺伝子のおかげで傷のない新しい細胞を複製できています。
それではこのサーチュインがうまく働かないと、どうなってしまうのでしょうか?
サーチュインに異常がある酵母を使って調べたところ、DNAの一部がもろくなり酵母は通常の半分の寿命に短縮してしまいました。
反対に正常なサーチュインを増やした酵母では、寿命が延びるという結果が出たのです。
このことから、サーチュインは寿命に関わる重要な遺伝子であることが分かります。
しかし、寿命を左右する遺伝子はこれだけではないことも判明しており、一ずつの影響力は小さいですが約300種類もの遺伝子が寿命を決定するのに働いていることが分かっています。
こうなってしまうと話が複雑で自分ではどうしようもない…、寿命は天命に任せるしかないのでは?と諦めてしまう人もいるでしょう。
でも実は、簡単な方法を実践するだけで自分の寿命をコントロールできるかもしれないことも分かっているのです。
■生活習慣を整えると、寿命は延びる
食事や運動などの生活習慣の違いの影響は、遺伝子要因異常に大きいといわれています。
台湾で約40万人を対象に平均8年間、運動量と死亡リスクの関係を調べた調査がありますが、そこで分かったことは、1日の運動時間が15分増えるごとに死亡のリスクは4%ずつ減ったということでした。
1日100分以上の運動では効果は変わらなくなったのですが、適度な運動が寿命に大きな影響を与えていることには間違いありません。
また、米ウィスコンシン大学はアカゲザルの食事量と老化関連死の関係について20年以上調査。
満腹になるまで食べたグループと、腹7分目までしか食べなかったグループを比べ、腹7分目のグループの方が心臓病やがんの発症率が半分にとどまっていたことを見つけました。
不老不死は昔から多くの人が追い求めてきましたが、その答えには現代の科学を用いても決定打は出せていません。
しかし、生活習慣を整えるだけで寿命をコンントロールできるのであれば、どんどん実践して延ばしていくに越したことはありません。
今日から生活習慣の改善に努め、ぜひあなたもカルマンさんの122歳の記録にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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