【終活】介護報酬制度改定!その影響は?①

2018年4月より、3年に1度となる介護報酬改定が行われます。
「介護報酬」とは、介護事業所が提供した介護サービスに対して支払われる料金のことを言います。
2015年に行われた改定では、-2.27%とかなり引き下げられたことにより、
収益性が悪化し、多くの介護事業所が倒産に追い込まれるなど、
介護報酬の影響力は非常に大きいですが、
今年の改定ではどう変わったのでしょうか。

終活をはじめようと思っている人も、すでに終活を行っている人も、
介護に関する情報は知っておきたいものです。

今回は、介護報酬改定によって事業所や利用者がどのような影響を受けるのか見て行きましょう。

2018年の介護報酬改定とは?

まず、介護報酬改定の背景についてお話しします。

「介護報酬」とは、先ほども紹介したとおり、
護サービス事業所や施設が利用者にサービスを提供した場合に、
その対価として支払われる報酬の事
です。
1割を利用者が負担し、残り9割を介護保険料と、
国や自治体の公費(つまり税)から支払われています。

介護報酬の料金には2種類あります。
訪問介護や施設といった事業所形態ごとに決められている「基本報酬」と、
その基本報酬に対して、単価を上乗せする「加算(減算)」があります。

事業所はより多くの料金をもらうために、
「加算」が設定されたサービスや取り組みを強化するようになります。
介護報酬改定では、この介護報酬の基本報酬を「引き上げ」または「引き下げ」をするケースや、
加算(減算)の「新設」や「強化」をするケースがあります。
それによって、介護事業所が得る収益が減少したり、
逆に増加する事となります。
また、介護事業所に積極的に導入して欲しいサービスや取り組みは、
加算を強化・新設することで広めて行こうという意図もあるのでしょう。

では、なぜ介護報酬は3年に一度改定が行われるのでしょうか。

介護報酬制度改定の根本である介護保険法は2000年に制定されました。
高齢化が進む中、社会保障給付費が予定以上のスピードで増えており、
2025年には団塊世代が75歳以上の高齢者となることから、
今後さらに介護や医療のニーズが求められていると予想されます。

そのため、増え続ける社会保障給付費を抑える観点で、
3年ごとに改正案が検討されているのです。

改定率は微増!サービスの質向上に期待

2018年の介護報酬改定では、全体で0.54%の微増になりました。
プラスの改定は2012年度以来の6年ぶりで、
国費のみで150億円の費用増となります。

そして今回は、医療と介護のダブル介護報酬改定が行われ、
「医療」と「介護」の連携がテーマとなりました。
双方の連携と自立支援・重度化防止の推進に重点を置いた改定となっています。

では、具体的に介護業界のサービスにどう影響を与えるのでしょうか。
改定内容の一部をご紹介します。

ヘルパーの方が自宅に介護に来る「訪問介護」では、
入浴や移動の助けといった長時間の「身体介護」の場合、
基本報酬を引き上げる
ことになりました。
代わりに、日常生活上の援助である「生活援助」の方は報酬が引き下げられます。

「通所介護(デイサービス)」では、
時間や事業所の規模によって、基本報酬の見直しを行います。
事業所の規模が大きいと報酬を引き下げるケースが多いです。
リハビリの専門職と連携している事業所は、
訪問介護も通所介護も報酬を上乗せする
ようになります。

「特別養護老人ホーム(特養)」は、
基本報酬が引き上げられ、
入居者が排泄を自力でできるよう支援する施設には報酬の加算を新設しました。
また、入所者の希望などをふまえた上で多職種が計画を作り、
それに沿って適切なサービスを提供している事業所には、
報酬を一定期間上乗せするようになります。
さらに、夜間に看護職員を1人以上配置、
もしくはたんを吸引できる介護職員を配置すれば報酬の加算を増やす
ようになります。

以上が、一部になりましたが介護業界の各サービスの改定内容です。
この他にも様々な改定がされています。

利用者への影響とは…

今回の介護報酬改定は、「自立支援・重度化防止」を軸に行っています。
きたる2025年に向けて利用者の体の機能や生活などをより良くするため、
各介護事業所もこれまでの経営戦略や方針などを改めて見直し、
進めて行くことでしょう。
それにより、質の高いサービスが受けられるような体制となる可能性があります。

しかし、サービスの選び方によっては、
利用する私たちの自己負担の金額も増えてしまう場合もあります。

次回の記事では、
介護報酬改定で私たち利用者に関する内容がどう変わったのかをお話していきたいと思います。

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