【終活】高齢化問題は人間だけじゃない!?ペットの高齢化と市場の変化

昨今、家族の一員としてペットを迎えている人も多いことでしょう。
そして、人と同じように病気や怪我の治療費の一部を補償する、
「ペット保険」が広まりつつあります。
終活世代で今ペットを飼っている人も、これからペットを飼う予定の人も、
ペット保険について正しく理解することは、
大切なペットとの生活を守ることに繋がります。

海外で誕生…「ペット保険」の歴史

ペット保険の歴史をご存知でしょうか?
1890年スウェーデンではじめて動物を対象とする保険契約が生まれました。
しかし、この契約は家畜や馬を対象としており、厳密にはペット用ではありませんでした。
それから時は流れ、1924年同じくスウェーデンで世界初のペット保険の販売が開始されました。
その後1947年にイギリス、1980年にアメリカ、1989年にカナダでのペット保険の販売は開始され、
日本でも1995年に販売が開始されるようになりました。
世界のペット保険加入率のランキングを見てみましょう。

日本は海外より遅れてペット保険が導入をされましたが、
市場は広まりつつあり、2016年の段階で各社の合計契約件数は125.1万件、
保険料収入は2017年には400億円に及んでおり、
今では世界3位の市場規模です。
ペット保険市場の拡大には医療の発展やペットの食生活の変化が背景にあると言えます。
1983年の調査で、犬の平均寿命が8歳に満たなかったという調査結果が残っています。
しかし、2016年の全国犬猫飼育実態調査の結果で犬全体の平均寿命は14.36歳、
2000年に入るまで10歳を上回ることがなかった猫全体の平均寿命は15.04歳
という調査結果が出ています。
動物医療の進歩により動物病院の数も増え、
定期的なワクチン接種や血液検査、レントゲンなど
人間と同じような医療サービスを受あけられるようになったことで、
ペットの平均寿命は格段に伸びました。
また、ペットフードの定着により、
必要な栄養素をほぼ確実に摂取できるようになったことも、
長生きの要因のひとつでしょう。
ペットが長生きすることで一緒に過ごせる時間が増えることは、
大変喜ばしいことです。
しかし、ペットも年齢を重ねることで、
人間と同じようにどうしても病気がちになります。
また、近年室内飼いのペットの増加や、
飼い主が長時間家を留守にするケースが増えたことにより、
運動不足になっているペットが多くいます。
運動不足や日頃の刺激不足などによる慢性的なストレスは免疫力を下げるため、
生活習慣病はもちろん、あらゆる病気の原因になる可能性があります。
さらにペットフードの進化により、おやつなどの種類が豊富になったことで、
ついついあげすぎてしまうことがペットの肥満につながっています。
肥満も生活習慣病のひとつですが、
心臓病や糖尿病、関節疾患など別の生活習慣病を引き起こす要因にもなります。
長期の治療となった場合、当然医療費もその期間必要となります。
その際の負担を少しでも軽くするためにも、
そして、ペットにできる限りの治療を施すためにも、
ペット保険の需要が伸びたことは必然と言えるのかもしれません。

ペット保険の仕組みや特長を理解し、有意義に利用しよう

ペット保険とは、人間でいう健康保険であり、
病院でかかった治療費のうち決まった割合を保険金で支払い、
残りを自己負担するというものです。

ペット保険が誕生するまで、
ペットの治療費は全額負担でした。
大まかな費用を、ガン治療を例に挙げてみましょう。

・通院 5,000円/1回
・入院 5,000円/1回
・手術 400,000円/1回

病気や怪我の深刻度にもよりますが、
ペットの治療費は高額になることが多いです。
ペット保険が生まれたきっかけも、
大切な飼い犬の治療費の高額に悩んだ女性が、
自分で保険会社を始めたのが最初だと言われています。
室内飼いが増えたこともペットの長寿の理由に挙げられますが、
室内にペットの危険がないとは断言できません。
日常に潜む危険に対してもペット保険は有効です。

ペット保険が日本でも一般的になったことの要因に、
インターネットの普及が挙げられます。
ペットを購入する際に保険に加入するほか、
ペットを購入した後からでも、
インターネットで申し込みできるようになりました。
また、ペット保険の需要の高まりによって、
補修範囲や割合、付帯サービスなど、ニーズに合わせて保険が選択できるようになりました。
また、補償内容や金額も多岐に渡るため、
ペット保険を選ぶ上で大切なのは金額と補償内容のバランスです。
補償内容が手厚くなればなるほど保険料は高くなりますが、
あまりに保険料が安いと、いざという時必要な補償内容が満たされていない場合があります。
よりよいペット保険を選ぶための4つのポイントをご紹介します。

ペット保険を選ぶポイント① 加入したい期間を考えましょう

生後数ヶ月のか弱い時期に加入したいのか、
年齢を重ねてケガの心配が増えてきた時期なのか、それとも一生涯加入したいのか、
加入したい期間によって、適したプランは異なります。
赤ちゃんの時期はまだ身体が弱いため、
通院や手術の回数も多くなりがちです。
そのため、補償回数が多いプランが望ましいです。
また、高齢期に入会したいと思った場合、
年齢制限によって加入できない場合があるのでしっかり確認しましょう。
補償の内容と加入可能年齢との兼ね合い、そして早めの行動が大切です。
年齢に関係なく、一生涯保険の加入を希望するなら、
終身加入が可能なプランを選択する必要があります。

ペット保険を選ぶポイント② 更新可能年齢を確認しましょう

飼っているペットが何歳まで生きるかによっても、
保険に加入する期間の計画が変わります。
また、犬の保険を探していたとしても、
大型犬か小型犬かでも寿命には差があるので、
自分のペットに合うものを選択しましょう。

ペット保険を選ぶポイント③ 年間限度日数を確認しましょう

保険のプランによって、
通院で20日・入院で30日といった年間限度日数が設けられているケースがあります。
この場合、年間限度日数を超えると補償が受けられなくなってしまう場合があります。
ほとんどの場合、限度日数を超えることはないという調査結果はありますが、
個体差があるため、一般的なペットより病気がち、ケガが多いと感じたら、
限度額に達するまで回数制限無しのプランを選択するようにしましょう。

ペット保険を選ぶポイント④ プロに相談しましょう

ここまで色々なポイントを紹介してきましたが、
はじめてペット保険に加入する場合、
不安になることや分からないことが多いはずです。
大切な家族を守る保険は納得のいくものを選びたいですね。
その場合はプロに相談し、プランを決めるのもひとつの選択です。
例えばアクサダイレクトでは24時間ペット健康相談サービスといった無料サービスがあります。
こちらのサービスでは獣医師が相談に乗ってくれますので、専門家の意見を伺うことが可能です。

ペットの高齢化に対し新たな需要を探す企業も

2016年の調査で全国の犬の飼育数は987万8,000頭、
猫の飼育数は984万7,000頭となっており、ペットの飼育数は伸び悩んでいます。

飼育数が減少するとペット市場の競争は激しくなりますが、
2000年代前半の小型犬ブームでペットを飼い始めた方が
ペットが長生きするようになったことで必要になった、
高齢化に関する新しい商機が生まれているため、
ペット市場は大きな衰退が起こることなく伸び続けています。
ペット保険もそのひとつです。
ペット市場の変化に伴い、企業は細やかな需要を探し出すため、
様々な形で商品やサービスを提供しています。
学生服のトンボは学生服や介護医療で培ったノウハウを生かして、
ペットの歩行を補助するハーネスを開発しました。
立ち上がる時の腰の負担を減らすことで
長い距離を散歩できるようにサポートするもので、
一部では品切れが発生するほどの人気です。
また、専門店事業を拡大するイオンの子会社、
イオンペットは店舗網を広げ、
ペットフード以外にも動物向けの美容室や病院など、
サービス機能を充実させた店舗を強化しており、
24時間態勢でペットの世話にあたる犬専用の介護施設などを開業しています。
高齢化の問題は、ペットにも人間にも深刻な問題です。
ペット専用の介護施設は、ペットの飼い主が高齢化によって十分に世話をできなくなってきた場合に、
手助けをする存在として今後さらなる需要が生まれることでしょう。

高齢者の方にとって家族である大切なペット。
その命を守るためにはどんなサービスや商品を利用できるか、
家族として社会の変化に目を向けることも、
終活をしていく上で大切なことではないでしょうか。
そうです。ペットたちにも終活が必要な時代になったと言えますね。

 


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終活とは成熟した大人がこれからの人生をどのように楽しみ、次の世代に何を託すのかを決める作業です。
何かを決めるということは大変な作業ですが、
それだけにその決断は大切なヒトへのやさしさや愛情になるのではないでしょうか。
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