【終活】深刻化する高齢化…現代の高齢者の実態とは?

総務省が発表した「2016年国勢調査」の結果で、
日本の総人口は1億2693万3千人、
65歳以上の高齢者の人口は3459万人ということがわかっています。
これは日本の総人口の27.3%を占める割合です。
国立社会保障人口問題研究所は2036年の65歳以上の人口は、
33.3%に達すると考えられています。
終活世代の方々が今後もハッピーに過ごすためには、
現状の把握が大切です。
現代社会の人口推移がどうなっているのか、確認してみましょう。

世界的視点から見る日本の高齢化推移の変化

内閣府の調査で、2015年の世界の総人口は73億4937万人でした。
そのうち、65歳以上の高齢者は6億818万人であり、2060年には
総人口は101億8429万人、65歳以上の高齢者は18億4469万人に
なると考えられており、国際的にも高齢化は進んでいくことがわかります。
また、世界の高齢化率の推移を見ても、
日本は65歳以上の割合が高いことがわかります。

高齢化による社会の変化

国勢調査から高齢者の生活にも変化が起こっていることがわかります。
老人ホームなどの施設に入居する高齢者は168.5万人で、
この結果は10年前の2倍の数値です。
また、一人暮らしをしている高齢者も増えており、
高齢者全体の16.8%で、男性は8人に1人、
女性は5人に1人が一人暮らしをしています。
一人暮らしを選択する理由として、

● 頼れる家族がいないから
● 住み慣れた地域を離れたくないから
● 介護者に転勤が多いから
● ひとりでの気楽な生活を望んでいるから

などといった意見が挙げられています。
一人暮らしの高齢者の生活を見守る、
地域包括ケアのさらなる強化が望まれます。

増える負担に苦しむ現役世代

近年、65歳以上でも働いている高齢者が増えています。
平成27年の高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、
730万人と過去最多となっており、
男性の就業率は30.3%、女性の就業率は15.0%となっています。
65歳は公的年金受給年代ですが、現代の高齢者が
働く理由は何なのでしょうか?

高齢者が働く理由として

● 自分と家族の生活を維持するため
● 生活水準を上げるため
● 健康にいいから
● 生きがいや社会参加のため
● 頼まれたから
● 時間に余裕があるから

などという意見が挙げられています。

日本は高齢化だけでなく、少子化による生産人口の減少も
問題視されています。
本格的な人口減少社会を迎える中で、経済社会の活力を維持し、
持続的な発展を可能とするためには、働く意欲と能力のある全ての人々が、
その能力を発揮し、安心して働き、安定した生活ができる「全員参加型社会」
実現することが重要です。
したがって、高齢者の雇用は今後も注目されることでしょう。

今の高齢者は昔より元気?実年齢と気持ちのギャップ

近年は「アクティブシニア」という言葉がある通り、
元気で活動的な高齢者が増えてきています。
実は、科学的にもこのことは照明されており、
2015年に日本老年学会が「現代の高齢者は10〜20年前の同年代に比べ、
身体能力・知力・健康状態などが5〜10歳若返っている」
という声明を発表しています。

ビデオリサーチ「1000人調査」2013年の結果では、
気持ちの上での年齢と実年齢の差にギャップがあることがわかりました。
実年齢が50代後半の人は平均48.7歳、60代後半は58.8歳、70代前半は64.0歳と、
どの年代もマイナス8歳の差があります。
気持ちを若く持つもつことで、人生に前向きになり、
身体的にも若返るという効果を与えているのかもしれませんね。
また、高齢者の体調についてはもちろん個人差はありますが、
高齢者が就労やボランティアに参加できる環境や設備を整えることが、
これからの超高齢化社会を活力あるものにするために必要であるとの意見もあります。
日本老年学会はこの結果から、高齢者の定義を変える必要があるのではと考えています。
現在は65歳を高齢者と考えられていますが、
近い将来65歳は高齢者ではなくなるかもしれません。
終活は加齢により、身体や精神が弱って来たからはじめるものではありません。
イキイキ元気な今だからこそ準備しておく、
とても意義深い取り組みです。

高齢者と若者、互いに支え合う社会に

急速な少子高齢化により、社会保障制度の見直しが必要であると考えられています。
年金受給金の引き上げ案を例に出してみましょう。
昔の65歳と比べると今の65歳は健康で、
働き続けている人が多くいます。
よって、年期制度に支えられる側の人が支える側に回ることで、
年金制度を長持ちさせられる
のではないか、と言われています。

高齢者が多くなる社会に高齢者が過ごしやすい環境を整えることは大切です。
しかし、その高齢者を支える現役世代の負担が大きくなり続けていることも
事実です。
高齢者と若者の両者の生活を守るために、
互いに歩み寄り、支え合う必要があるのではないでしょうか。

 


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